内容説明
未来を委ねる青少年に奴隷的雇用形態を押しつける政治家と企業経営者群。青少年の人間性を損なわせる俗悪な文化を流しつづける文化事業家たち。そこにあるものは資本主義の病魔である「拝金主義」。さまよう子どもたち、親殺し、子殺し、そして無差別殺人…背景に潜むエゴイズム。首切り担当課長の悲鳴を描いた「人事課長と鈴虫」。アルバイトの高校生がバイト先の店長をナイフで襲う「ユリノキと光る刃」。夫の親の介護を当然のごとく押しつけられながらも自立をめざす女性の姿を描く「迷子のありんこ」、「白日に翻る葉のように」等。金銭至上主義とエゴイズム、そして政・官・財の腐敗と堕落。純文学作品がえぐる日本の病根。
著者等紹介
岩本俊夫[イワモトトシオ]
1940年東京生まれ。1964年早稲田大学第一文学部卒業。同年より川崎市立中学・高校の教員を勤め、2001年に退職。1975年文芸同人誌『秧鶏(くいな)』の創刊に加わる。1987年『風嘯(ふうしょう)』に改題。編集長として28号を刊行して現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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