内容説明
人間よりも神様が多い国。ネパール・カトマンズ盆地には、街のいたるところにヒンズー教の神像が生きる。人々は祈りを捧げるとき、その神像にティカと呼ばれる赤い粉をつける。赤い粉は幾重にも塗られ、乾き、浅く、深く、赤の世界を醸し出す。そして、神々はその表情を一刻一刻、変えていく―。
目次
はじめに―「赤の世界」
バクタプルの夜
石の神
バサンタとの出会い
神の味
インドラとバイラヴ
生き神クマリ
頭蓋骨のお椀
消える神々
パタンの憂うつ
聖なる川のほとり
天国と地獄
著者等紹介
川口敏彦[カワグチトシヒコ]
1964年静岡県沼津市に生まれる。1987年読売新聞東京本社写真部に入社。1996年タイ・バンコクに赴任。3年間、アジア全域を取材。1998年インドネシア・ジャカルタ暴動で東京写真記者協会賞海外部門賞を受賞。1999年インドネシア・東ティモール紛争で東京写真記者協会賞海外部門賞を受賞。2000年韓国・南北離散家族相互訪問で東京写真記者協会賞海外部門賞を受賞。2001年ペンタックスフォーラムで写真展「ナマステの国の神々」を開催
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感想・レビュー
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みほ
3
ネパールにはヒンドゥーに登場する神々が路上に溢れている。赤い色でその石像はまみれ 、穏やかさとは異なる畏怖をかもし出していた。 シバァ神の妻は、時に恐ろしい神へ変貌するらしい。ヒンドゥー教に関して全く知らない私だが、こんな神様もいるんだよ、と著者は分かりやすく案伝えてくれた。細かい案内本ではなく、紀行本とも違う…。夕暮れ、人々が広場へ集まり、神話を共有する写真はとても惹かれた。…破壊する神が崇められ、生け贄の山羊が石像の上に用意される…。カトマンズは今一番訪れたい場所の一つだ。2016/09/18