内容説明
劇的ともいえる変動期を迎えた社会福祉。この一連の、社会福祉基礎構造改革がわれわれに問いかけているのは、社会福祉という概念が、単なる「福祉サービス」保障を超えて「生活」を連続的に支援する「社会的な存在」に成りうるのかという根本的な問いである。自己決定の強調によってしばしば個人主義に流れがちになるわが国の社会福祉法制に必要なものは何か。「措置」概念から解放され「福祉サービス」的存在に変貌しつつある現在の社会福祉の本質を、各種「給付システム」を検証することにより明らかにする。
目次
序 社会福祉基礎構造改革とは?(保育所制度の改正から支援費支給制度の施行まで;補論;「利用・運営費補助方式」について)
第1章 行政を中心とした給付システム―措置制度の基本構造(措置制度の特徴とその給付手続;福祉施設、受給者および行政の法律関係 ほか)
第2章 受給者と事業者を中心とした給付システム―介護保険と支援費支給(介護保険の仕組みと実務上の問題点;支援費支給制度の展開と構造 ほか)
展望 社会福祉事業の本質とは?(財の再配分事業とサービス供給事業の相違;いま社会福祉事業に求められているもの)
著者等紹介
倉田聡[クラタサトシ]
1965年北海道札幌市に生まれる。1987年北海道大学法学部卒業。1995年北海道大学より博士(法学)を取得。1996年北星学園大学社会福祉学部専任講師。1999年同助教授を経て、2000年現職(北海道大学大学院法学研究科助教授)
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