出版社内容情報
おいらをすてたのは、人間。
おいらを拾ったのも、人間。
幸せに暮らしていても、不安になる。
この人たちは本当に、おいらをすてたりしないかな――?
新しい家族となった今村家の人たちが、心配しておいらを探してくれますように。
そう願いながら、すてネコ『たまご』は家を出た……。
内容説明
おいらをすてたのは、人間。おいらを拾ったのも、人間。幸せに暮らしていても、不安になる。この人たちは本当に、おいらをすてたりしないかな―?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
75
児童書。中学年向き。ハチわれチョビヒゲかぎしっぽの子猫はにいちゃんネコいもうとネコと幸せに飼われていたけれど、れんちゃんは涙を流しながら3匹を捨てた。カラスに襲われ1匹になった子猫は航平に拾われる。再び幸せを感じた子猫は「たまご」と名付けられる。けれども人間はまたたまごを捨てるかもしれない。不安になったたまごは、家出ごっこをして試してみることにした。外に出たたまごは迷子になってしまう▽不幸なめにあって拗ねたり信じることをやめてしまったりする。思ったより深い内容でした。2024.6刊2024/11/14
みかん🍊
72
兄弟3匹で突然捨てられカラスに襲われ兄と妹を失った子猫は今村家に助けられて引き取られたまごと名付けられる、しかし幸せに暮らすうちにまた捨てられるのではないかと不安に襲われ試す為家出してしまう、外で出会った沢山の猫のおかげで人間も猫も様々な事情がありレッテルを貼って決めつけてはいけないと気づく、外での経験で成長して人間を信じられる様になって良かったね。2024/08/30
遠い日
6
きょうだい3匹、捨てられてひとりだけ生き残った子猫が今川家で飼われることになった。たまごと名付けられ、幸せな毎日だったのに、どうにも捨てられたトラウマから逃れられず自ら家出して自分への愛情を試そうとしたたまご。少しの間のつもりだったのに気づけば迷子に。怖い目にもあって、保護センターに入れられる。いろいろな経験をしてきたねこたちに出会い、それぞれの考え方に耳を傾ける。たまごにとって幸せは何かが本気で分かったこと。また、今川家で暮らせること、今度こそ本当に幸せにおなりよ、たまご。2024/10/22
You
2
ネコの完全室内飼い神話が世を席巻する今、この切り口で、しかも児童書でこう語るものは珍しい。賛否両論あるかもしれないが私は好き。私は猫にも青空と大地と風を味わわせてやりたいし、飼う飼われる以前に元来動物である猫にも当然、人の手の中でなくても自然の中で自由に生きる権利があると思っている。もちろん事故にあったり病気になったりしてほしいわけではないが、そうして自由に生きた結果の寿命なら、それが猫として天寿を全うしたということではないかとも思う。きなこのジェントルぶりと割り切りの良さが好き。挿絵の遊び心も◯。2025/02/07