出版社内容情報
黒澤映画の名スクリプターの自伝的エッセイ。伊丹万作、井伏鱒二らとの交流、黒澤監督との現場の日々を語る。
内容説明
文学少女だった著者は伊丹万作と文通を重ね、終戦後、出版社で女性編集者となる。井伏鱒二、太宰治、内田百〓などの名だたる文豪と交流し、やがて伊丹の縁で京都に渡り、大映京都撮影所で記録見習いに。監督・黒澤明と出会う。新米として『羅生門』の撮影現場に入り、最後の作品となった『まあだだよ』まで19本の黒澤映画に参加する。数々の傑作を生み出した巨匠たちの素顔や交流を忘れられないエピソードとともに振り返る。希望と混沌に満ち溢れた日本映画の黄金期を、山田洋次監督『母べえ』原作となった自身の生い立ちとともに、懐かしく語り尽くす。
目次
第1部 インタビュー さらば、“黄金の日々”よ(焼け野原の青春;映画黄金期にすべりこむ;忍び寄る不協和音;不死鳥は飛ぶ;映画『母べえ』の原風景)
第2部 エッセイ集 落葉の掃き寄せ(三鷹町下連雀;「下戸の酒」;井伏先生とスニーカー;『赤ひげ』後のクロサワとミフネ;『静かな生活』垣間見録 ほか)
著者等紹介
野上照代[ノガミテルヨ]
1927年、東京生まれ。黒澤明監督映画のスクリプター、のちに制作助手。戦後、出版社勤務ののち、伊丹万作監督の遺児(後の伊丹十三)の世話を頼まれ、京都へ。1949年、大映京都撮影所に記録見習いとして就職。1950年、黒澤明監督『羅生門』に初参加する。以後、東宝に移り、『生きる』以降の黒澤作品すべてに参加(他監督作品も多数)。またエッセイストとしても有名で、1984年、「父へのレクイエム」で第5回読売・女性ヒューマン・ドキュメンタリー大賞優秀賞を受賞。同作は2008年に山田洋次監督『母べえ』として映画化された。現在、黒澤映画の「語り部」として様々なメディアで活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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うちこ