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出版社内容情報
テレビ、新聞、雑誌、SNS等で多数紹介された
ベスト&ロングセラー『生き物の死にざま』、待望の姉妹編が登場!
涙なくして読めない科学エッセイ。
生き物たちは、晩年をどう生き、どのようにこの世を去るのだろう──
土の中から地上に出たものの羽化できなかったセミ、南極のブリザードの中、
決死の覚悟で子に与える餌を求め歩くコウテイペンギン…
生き物たちの奮闘と哀切を描く珠玉の27話。生き物イラスト30点以上収載。
【項目より】
●羽化をはばまれた夏─セミ
●ある夏の「こぼれ蛍」の孤独─ホタル
●氷の世界で数カ月絶食して卵を守り続ける父─コウテイペンギン
●一年半の子育てを繰り返す母グマと銃声─ツキノワグマ
●“幼稚園”での集団保育と、家族に囲まれた最期─ゴリラ
●化石から見えてきた恐竜たちの愛─オビラプトル
●大回遊の末にたどりついたどんぶり─シラス
ほかに、クジラ、ウナギ、チーター、ヒョウ、ウシ、コチドリ、渡り鳥、日本ミツバチ、
ブロブフィッシュ、カエル、ウスバキトンボ、クマケムシ、雑草、樹木、人間……などなど
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
132
健気に生を全うする動物たちの姿が切なくて儚くて、胸が一杯になる。親が命を懸けて子供を守る行為を、利己的遺伝子の働きだと説明するのでは「余りに冷たいし、それが本能だと言ってしまえば余りに寂しい。私たちの行動は、本能ではなく愛なのだと信じたい」という姿勢が本書を貫いている。だからこそ、動物たちの献身的な死にざまを紹介しながら、「進化の頂点にある私たちホモ・サピエンスの愛は、ずっと進化したものと言えるのだろうか」という著者の投げかけが重く響く。稲垣先生の本は、いつも、勉強になって、ホロっとなって、心に沁みる。2022/02/16
kinkin
125
生きざまという言葉は好きではないけれど。様々な生き物の命や子育てについてのエッセイ。ほんとは関係ないが東京の狛江で起きた唐人が数人に暴行され殺害されてというニュースを聞いていたので、この本を読みながらいろいろなことが頭の仲をよぎった。庵局で100km近くを歩いて移動し子育てを行うペンギン、人と同じように仲間の死を悲しむゴリラ、食べ物のために生まれてきた牛、戦争中に殺された動物園の動物たち。人はなんとむごい、勝手な生き物だろう。年老いた女性を叩き殺すそんな動物はいないだろう・・・悲しい。図書館本2023/01/21
うっちー
84
人だけが特別な生き物ではない気がします。今を大切に生きることが生物的な生き方かもしれません2020/12/11
読特
80
体液を子供に吸わせて命果てる母グモ。飼育員になつきながら、戦争の犠牲となった動物園のヒョウ。子孫も残せず死に絶えるためだけに日本に渡ってくるトンボ。カタツムリを狂わせ鳥に食べさせることで増殖する寄生虫。3億が参加するレースに勝ち抜き生まれた自分達。…生きていることの不思議。死ぬことの不条理。個体の生存よりも、種の保存を優先する。命のはかなさ。生き物の生涯は詩のようだ。短く終わって、リフレインが止まらない。誰かの心に、地球のどこかで、蘇るありし日の姿。永遠に続くのは、遺伝子が引き継いだ情報だけではない。2022/10/12
さつき
72
シラス、ウナギ、ウシなど普段食べ物として美味しく頂いている生き物の物語が印象的でした。改めて読むとショックです。カタツムリのところで紹介されたカマキリに寄生するハリガネムシは、息子が幼稚園から持って帰って来たことがあって懐かしく思い出しました。ウスバキトンボの話しはまるで知らなかったです。娘が捕まえた赤とんぼもこれだったのかな?来シーズンはもっとじっくり観察したいです。2021/12/21