出版社内容情報
本書では、幕末明治を舞台にした、人間の悲喜劇の七つのケースを取り上げている。どれも理屈ではどうしようもない出来事に遭遇した人々の破天荒な物語である。
・日米修好通商条約の勅許を得るべく奔走する幕府旗本が、関白の色と欲に翻弄されてゆく悲劇「薔薇の武士」。
・幕末京都で見つかったテロリズムの教理書の謎を追う「犬死クラブ」。
・幕末の蝦夷地に漂着した異国の女と海岸警備を担う若き武士の恋「赤毛の人魚」。
・戊辰戦争の官軍先遣隊の博徒に襲われた名家夫人の哀しい性「軍師の奥方」。
・明治初年の廃仏毀釈で生き身同然に民衆から迫害される高僧の受難を描く「木像流血」。
・岩倉使節団の船内で、士族の男が女子留学生に色事を仕掛けたとの疑惑が浮上し、伊藤博文裁判長らに裁かれる「船中裁判」。
・毒婦・高橋お伝の局部解剖に奔る明治医学界の狂騒「名器伝説」。
──従来の維新本がまともに取り上げて来なかった「人間の色と欲」「維新の現実の姿」が見えてくる傑作歴史読み物
野口 武彦[ノグチ タケヒコ]
著・文・その他
内容説明
日米修好通商条約の勅許を得るべく奔走する幕府旗本が、関白の色と欲に翻弄されてゆく悲劇「薔薇の武士」。戊辰戦争の官軍先遣隊の博徒に襲われた名家夫人の哀しい性「軍師の奥方」。岩倉使節団の船内で、士族の男が女子留学生に色事を仕掛けたとの疑惑が浮上し、伊藤博文裁判長らに裁かれる「船中裁判」など七編。「人間の欲」から幕末維新のもう一つの姿を描く傑作歴史読み物。
目次
薔薇の武士
軍師の奥方
犬死クラブ
船中裁判
名器伝説
木像流血
赤毛の人魚
著者等紹介
野口武彦[ノグチタケヒコ]
1937年東京生まれ。作家・文芸評論家。早稲田大学文学部卒。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念する。日本大学・日本思想史専攻。73年『谷崎潤一郎論』(中央公論社)で亀井勝一郎賞、80年『江戸の歴史家―歴史という名の毒』(ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞、86年『「源氏物語」を江戸から読む』(講談社学術文庫)で芸術選奨文部大臣賞、92年『江戸の兵学思想』(中公文庫)で和辻哲郎文化賞、2003年『幕末気分』(講談社文庫)で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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