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出版社内容情報
現場に入った支援者の立場から記す、震災ルポルタージュ。
これまでとは異なる視点から描かれた、復興の深層。
内容説明
他人に降りかかった災難なのに、なぜ、被災地に通い続けるのか?東日本大震災の支援活動を一人の青年の立場から克明に記録したドキュメント!草思社文芸社W出版賞金賞。
目次
第1章 ジレンマ
第2章 緊急支援
第3章 震災のあと
第4章 エゴイスト
第5章 アカルイミライ
著者等紹介
小林みちたか[コバヤシミチタカ]
1976年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。2000年朝日新聞入社、2004年退社。広告制作会社などを経て、2010年よりAAR Japan“特定非営利活動法人難民を助ける会”に所属し、東日本大震災の支援活動に携わる。2011年退職。以後、フリーランスのライターとして活動しながら、被災地に通い続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひらちゃん
63
ボランティアとして被災地に通い続ける理由。一日を働いて得られる爽快感。まるで中毒のように。これまで読んだ本にない違った著者の素が見え隠れしていたようだ。理由はどうあれそれでも手を貸せるならいいじゃないかと思ってしまうが著者の葛藤は続く。震災直後の頑なな被災者から受けた「施しはいらない。自立を目指すための最低限の支援」という言葉に奢っていたのかと。やらないよりもやる偽善。悩みながら、それでも通い続けるボランティアの心の内を見た気がした。2017/09/09
てんちゃん
30
震災関連の本の中では少し違う毛並み。ボランティアは、正義感や使命感を刺激し、さらには過剰な自尊心や自己顕示欲という嫌らしい欲望も高ぶらせる。それは過度な快感、万能感を引き起こしまるでドラッグのようだと指摘。ボランティアに携わる人の迷いや不安を隠さずに語っています。ボランティアに限らず支援に携わる職につく者として心が痛んだ。でも、ボランティアがあったからこそ、少しずつでも前に進めたこともあるし、心を和らげられた人もいるはず。やっぱり、やらない善よりやる偽善なのでは?著者の小林さん、真面目ないい人だな。2019/03/18
百太
29
読ませるドキュメンタリーです。 そう震災ボラ人、ジャンキー(見事な表現)だなと思う人多し(笑)。 去年の陸前高田の黒崎神社のはしご虎舞い見てきました。 あっけにとられました(笑)。 『震災ジャンキー』を書いた理由 https://note.mu/michitaka64/n/n12403efde317 がさえてる。好感もてる。 ん~。「遺体」は、多くの人が読みたいと思っているドキュメンタリー だったろうし小説的で刺激的で商業的。当然、私もズシンと感じ入って泣きながら読んだし映画も見た(苦笑)。 2019/02/15
はじめさん
29
津波のスリランカ、そして311で被災地での支援活動を行った著者によるドキュメント。/ 読後はずっしりと重い。「被災者に頑張れなんて言えない、もう充分頑張っている。無理しないでねとしか言えない」東電に被爆した家畜の賠償を求め、退去せずに居座り続ける男や、被爆したデータを取るという事で命を繋いだ牛。たが、家畜は生かせてくれとも、死なせてくれとも、肉にしてくれとも言えない。/ 7年前はTVの前で、深夜キャスターが視聴者からの家族尋ねの内容読み上げなんかで、この国はどうなるんだろうと思っていた。@灯れ松明の火2018/03/11
八百
29
「人だけがいない街」を自分の眼で見て来たくせに失念していた…原発事故の避難指示区域ではあの風景が今も手付かずのまま放置されていること、そして一日も早い帰還を望む住民のために作業に携わる多くの人たちがいることを。ボランティアの立場から書かれた本は初めて手にしたが被災者への近さ故そのレポートは生々しいものがある。命懸けで支援物資を届けても浴びせられるのは歓声ではなく怒号、それが常の現場で他人のために尽くせる心のタフさはどこからくるのだろうか?やらない善よりやる偽善…やらない偽善の自分を恥じる2018/03/10