出版社内容情報
占領憲法の間に合わせでやってきた日本は、いま目指すべきモデルのない、海図なき世界に立っている。自らの手で新憲法を書き直すべき時だが、まず「憲法前文」だけでも書き直して、平和国家・文化国家の理念を示し、来るべき二〇、三〇年後の新時代に備えよと説く元外交官で法律専門家による新憲法論。
われわれはいまどのような世界にいるのかの現状分析が的確で面白い、現代日本論でもある。
■ 一度も民意を問われていない憲法。
■「 全面改正」の「罠」を回避せよ。
■ 九条改正は後回しでいい。
■ もう一つの「罠」は「謀略」に巻き込まれないこと。
■ 米中接近による孤立化を招かないように。
【著者紹介】
1933 年、東京生まれ。56 年、慶応義塾大学経済学部卒業。同大学大学院法律科修了後、外務省に入省。在ニューヨーク総領事、駐イタリア大使等を歴任。現在、鹿島建設常任顧問、日本英語交流連盟名誉会長。著書に『憲法前文試案』( 小学館文庫)などがある。
内容説明
まず憲法前文だけでも変えればすべてに好循環が始まる!こうして憲法改正の段階を踏めばいいという、もっとも現実的な提言。「この国のかたち」に国民的な合意を結集し、平和を愛好する文化的な民主主義国の理念を示し、乱世となるこれからの世界に備えよと説く元駐イタリア大使の新憲法論。
目次
第1章 いま日本はどこにいるのか(国家観―否定的な国家観の定着;天皇―不思議な制度だが、象徴天皇は定着 ほか)
第2章 新平和憲法で新しい指針を(正統性の欠如―必要な国民意思の表明;「あの戦争」への区切り―歴史は後世史家の判断に ほか)
第3章 二つの「罠」を避けつつ憲法改正へ(改正戦略の必要性;注意すべき世界の眼―不用心なスローガンは危険 ほか)
第4章 何を新前文に書くのか(日本の伝統・文化―現憲法に欠落している「日本性」;主権在民、民主主義、人権の尊重―和と民主主義が日本を走らす車の両輪 ほか)
第5章 そして日本はどこへ―二〇三〇年の日本(悲観論ではない未来論を;憲法改正への道のり―おそらくこのように進むだろう ほか)
著者等紹介
英正道[ハナブサマサミチ]
1933年、東京生まれ。慶応義塾大学卒業後、1958年に外務省に入り、経済協力局長、外務報道官、ニューヨーク総領事、駐イタリア大使等を務め、1997年に退官した。鹿島建設常任顧問の傍ら、日本英語交流連盟、日本ヴェルディ協会の設立に尽力し、加えてアジア・欧州財団、ソニー教育財団、文化財保護・芸術研究助成財団、日伊音楽協会などの非営利活動を積極的に行って来た。特に日本からの対外発信活動に強い関心を持ち、日本英語交流連盟のサイトに設けられたコラム「日本人の意見」で、志を共にする多くの有識者と、英語で日本人の意見を世界に向け積極的に発表して来た。現在、公益財団法人日伊協会名誉会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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