草思社文庫
人生を感じる時間

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  • サイズ 文庫判/ページ数 279p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784794220028
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

「希望」なんて、なくたっていい――。「いまここにいること」を肯定する、まったく新しい人生論。世界の魅力を再発見する、現代人必読の26編。単行本『途方に暮れて、人生論』(小社刊)改題。

【著者紹介】
一九五六年、山梨県生まれ。鎌倉で育つ。早稲田大学政経学部卒業。九〇年、『プレーンソング』でデビュー。九三年、『草の上の朝食』で野間文芸新人賞。九五年、『この人の閾』で芥川賞受賞。九七年、『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞を受賞。他の作品に『猫に時間の流れる』『残響』『カンバセイション・ピース』など、エッセイに『世界を肯定する哲学』『言葉の外へ』など。

目次

1章 「生きにくさ」という幸福(人生を感じる時間;世代像がないから人生と向き合える ほか)
2章 老いることに抗わない(大人の遊びは遊びなのか?;外の猫たちを見て「愛」について思う ほか)
3章 家に記憶はあるか?(都市の記憶;高所恐怖症と自己像 ほか)
4章 想像力の危機(「あやふやさ」と「よるべなさ」;教養の力 ほか)

著者等紹介

保坂和志[ホサカカズシ]
1956年、山梨県生まれ。鎌倉で育つ。早稲田大学政経学部卒業。90年に『プレーンソング』でデビュー。93年に『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年に『この人の閾』で芥川賞、97年に『季節の記憶』で平林たい子文学賞・谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

きょちょ

29
作者の作品の特色のように、「ゆったりと流れる時間」を感じた時、確かにそれが「人生を感じる時間」だと思う。しかしながらそう感じれる時間のなんとまあ少ないこと。泊りがけでゴルフしたり温泉に行ったりするときくらいだ。貧乏性の私は、仕事が暇でその日にやらなくてもよいのに何かしらデスクワークをしてしまう。何のために自営業に転じたのか。しかも3日に1度は勤め人時代のしんどい仕事の夢見るし。作品によっては酷評もしたが、彼の作品の多くは大好きだし、彼の感性を私は大いに肯定する。「カネ」についてのエッセイも同感だ。★★★★2019/01/25

ほし

13
恥ずかしながら保坂和志さんの著作をこれまで読んだことはなかったのですが、本のタイトルに惹かれて購入。なんというか、いま読みたい文書が読めた、という感じがあり、とても楽しい読書でした。日々加速していく社会のスピードと溢れる情報に、ふと油断しているとあっという間に取り込まれそうになるような感覚がぼくにあるのですが、この本を読んで、立ち止まること、何もしないこと、考えることのかけがえのなさを再確認できたように思います。2019/10/24

午後

4
保坂和志の持ち味は、生きる上での根本的な問いについて、あらかじめ結論や方向性を設定することなしに、しぶとくひたすら考え続けることにあると思うんだけど、この本は方々の雑誌に寄稿されたエッセイを集めたものなので、その性質上いつものような長々と迂回を続けながら次第に厚みや広がりが増していく、という彼のお家芸の魅力はちょっと他に劣る。だけどそのぶん読みやすくて、「生きにくさ」というテーマのもとに書かれたものもいくつかあって、今の時代に良しとされている価値観に囚われずに自前で考え続けるための勇気がもらえる。2018/04/14

Ichiro Toda

4
ものすごくためになったというか、勉強になったというか。多分久しぶりに本に慰められたというか自己肯定されたというか。なんとも言えない一冊になったしまった。“この人の閾”が好きで、それしか読んだことがなかったけれど、表層的な言葉が排除され、選ばれ思考された言葉のみが並んでいるように感じられ刺さってしまった。保坂和志の随筆集。そこらへんのカンフル剤的な自己啓発本を読むよりも、この一章を読んでのんびり考えたほうがためになる気がする。びっくりするほど良かった。2015/06/07

ワタ

3
エッセイの中で「大人には二つのタイプがあって、ひとつは進んで大人になった大人で、もうひとつは子どもじゃなくなったために大人としか名乗れなくなった大人」ということが書いてあったけど、私も間違いなく後者だ、と思った。2023/04/30

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