出版社内容情報
1965年6月22日、14年におよぶ交渉が妥結し、日韓の国交正常化が実現した。その5カ月前、交渉の最後の難問だった竹島(独島)問題が、河野一郎国務大臣と丁一権総理の交わした密約をもって決着をみた。それは「解決せざるをもって、解決したとみなす」との「棚上げ」策を骨子としていた。岸信介・池田勇人・佐藤栄作、李承晩・朴正熙の日韓の歴代政権は、公式・非公式の交渉をどのように進めたのか。裏の交渉を担った大野伴睦、河野一郎、矢次一夫、児玉誉士夫、金鍾泌ら日韓の政治家、フィクサーはどう動いたのか。韓国政府公開の新史料と関係者の証言を駆使して、密約合意にいたる全プロセスを描き、金泳三政権がなぜこれを受け継げなかったのかをも鋭く考察した力作ドキュメント。
【著者紹介】
1954年、ソウル生まれ。ソウル西江大学卒業。米マークェット大学で修士号(国際政治学)、MITで博士号(政治経済学)を取得。89年、政府‐企業関係論をテーマとする博士論文作成のため、国際交流基金フェローとして来日。一橋大学、科学技術政策研究所等で研究。香港科技大学助教授、中国人民銀行客員教授を経て、日本および外資系企業の経営・投資コンサルティング業に従事。2006年より、韓国『月刊中央』誌の客員編集委員として健筆をふるう。
内容説明
「解決せざるをもって、解決したとみなす」。1965年、竹島(独島)問題を棚上げする密約が河野一郎国務大臣と丁一権総理の間で交わされた。交渉に関わった岸信介・池田勇人・佐藤栄作、李承晩、朴正煕の日韓両国の歴代政権、その裏で動いた大野伴睦、河野一郎、矢次一夫、児玉誉士夫、金鍾泌らフィクサーたちの動向を捉え、密約に至った全プロセスをたどる。そして金泳三政権以降、密約が反故にされた理由とは?アジア・太平洋賞大賞の力作ドキュメント。
目次
プロローグ 「未解決の解決」はなぜ成立したのか
第1章 暗中模索の時代
第2章 叔父と甥の対日外交
第3章 新しい日韓ロビー
第4章 竹島密約
第5章 二つの喪失
エピローグ 先人の「知恵」をいかにして受け継ぐか
著者等紹介
ダニエル,ロー[ダニエル,ロー][Daniel,Roh]
1954年、ソウル生まれ。マサチューセッツ工科大学政治経済博士(PhD)。日本政治経済を専攻して、日本では、一橋大学、科学技術政策研究所、未来工学研究所などで研究。学界では、香港科技大学の助教授を経て、中国人民銀行研究生部、上海同済大学、国際日本文化研究センターで客員教授を歴任。経営及び投資コンサルティング業に携わりながらアジアの政治経済、歴史に関する執筆活動を継続中。『竹島密約』で第21回アジア・太平洋賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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