内容説明
「武士道といふは死ぬことと見付けたり」で名高い『葉隠』は、一度きりの人生をフルに生きるための心構えを説いた情熱の書だ。信念を持つことによって幸福の基準を先どりし、それに殉じて生きること。つまり、こちらから世界に意味づけをして生きていく生き方こそ、『葉隠』の哲学なのだ。本書は、『葉隠』のなかでも核心的な箇所をピックアップし解説した一冊である。三百年前に生まれた「サムライの教科書」には、よるべなき日々を生きる私たちを勇気づけてやまない叡智があふれている。
目次
第1章 あの人生ではなく、この人生を
第2章 死ぬことと生きること
第3章 気力の出し方、自信の育て方
第4章 外見の飾り方、内心のあらわし方
第5章 上昇志向と向上心
第6章 刀としての言葉の作法
第7章 生きることの意味は自分で定義する!
巻末付録 『葉隠』おもしろ話集
著者等紹介
市川スガノ[イチカワスガノ]
ライター・編集者。上智大学大学院文学研究科(国文学専攻)博士前期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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徒花
372
おもしろかった。葉隠のうち、現代にも応用できる部分だけを抽出して分かりやすい文章で伝えている一冊。内容は多岐にわたるが、根底にあるのは「論理を超えた思考を身につけろ」ということだろうか。考えあぐねることに労力をかけるくらいなら、少しでも行動しろということ。そして、自分の幸福は自分で作り出すものなのだという力強いメッセージも魅力的だ。文章の細かい部分も読者の気持ちに沿ったものとなっていて、すらすらと読み進めていける。2016/06/08
もも
8
聞いたことがある「武士道といふは死ぬことと見付けたり」は、ここから来てるのか!と、初めて知った。日本人として、根幹の部分を深く学び、探求したいと思った。2016/10/28
まこ魚
2
平和な江戸中期を生きた山本常朝。「武士道とは死ぬことと見付けたり」というフレーズからゴリゴリの体育会系の書物かと思いきや、「細かい!」と突っ込みをいれたくなるような些細なことまで書かれている武士への指南書。エフィカシーを高く持ち、毎日を死んだつもりで一瞬一瞬を大切にして生きる。このことが一番強調されているように思える。全然、今にも通用するビジネス書としても読めそう。「酒というものは切り上げ方をよくしてこそ酒である」参考になります・・・2015/02/14
城崎八雲
0
「武士道といふは死ぬことと見付けたり」。聞いた事はあっても何が出典でどういう内容なのかまでは詳しく知りませんでした。 これを読んだら全てがわかる訳ではないが、取っ掛かりにはなると思う。まさに「超」入門(´・ω・)2016/01/29
ご〜ちゃん
0
『葉隠』は案外普通のことが、それでいてとても大切なことが沢山詰まっている本なんだと思った。2011/09/27