内容説明
苦節30年、1998年に念願の大統領の座を射止めた金大中は、次なる目標をノーベル平和賞と定め、政権レベルで受賞工作を開始する。ノーベル賞関係者に働きかけ、「太陽政策」を世界にアピールし、日本人拉致に関与した工作員を北に返還した。南北会談をピョンヤンで開くことが最後のひと押しだ。それは受賞のための「画期的な突破口」となるはずだった―。受賞工作の一端を担った元韓国情報部員が、南北会談を実現するべく金正日に15億ドルの“ワイロ”が送られ、結果として北朝鮮の核開発に手を貸したと告発。「民主化闘士」の仮面で糊塗された金大中の恐るべきマキャヴェリズムを鋭く批判する。朝鮮半島をめぐる危機の淵源を知るための重大証言である。
目次
1 良心宣言(金大中大統領、仮面の裏側―国民への手紙(1)
林東源国情院長のスパイ疑惑―国民への手紙(2)
嘘の喜劇、盗聴の真実―国民への手紙(3)
「呪われたノーベル賞」―受賞工作に関する記者会見)
2 情報部員(青春時代;ひよこ機関員時代;「文民政府」の裏街道;海外工作局で ほか)
著者等紹介
金基三[キムキサム]
1964年、韓国慶尚南道密陽生まれ。ソウル大学法学部卒業。93年、国家安全企画部(国家情報院の前身、旧KCIA)入局。以後、金泳三および金大中政権下で、対共政策室、海外工作局情報協力課、国際政策室、対外協力補佐官室、対北戦略局に勤務。98年、米ディキンソン法科大学院で修士号取得。対応協力補佐官室に在籍中、海外メディア担当として金大中大統領のノーベル賞受賞工作の一端にかかわる。2000年に辞職。03年、金大中大統領の対北送金疑惑等について告発
荒木信子[アラキノブコ]
1963年、横浜生まれ。横浜市立大学文理学部国際関係課程卒業。筑波大学大学院地域研究研究科東アジアコース修了。1990~91年、韓国ソウル大学留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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