日本1852―ペリー遠征計画の基礎資料

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794217783
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C0021

出版社内容情報

一八五二年にイギリスで刊行された日本の研究書。政治・経済・資源から日本人の性格まで恐るべき情報収集能力と分析力で日本をまるごと観察し、その国力を高く評価。英米の対日感・対日外交の原点を知るための最重要基礎資料。

将軍と天皇、2つの権力が併存 死をも恐れずに戦う 優れた農業技術 流通が高度に発達 旺盛な企業家精神 働き者で祭り好き 法の下では皆平等 宗教に寛容 他

【編集者からのコメント】
1852年の段階で日本をここまで情報収集し、調べ上げていたことに驚かされます。

【著者紹介】
1799-1854年 大英帝国有数の歴史・地誌学者。インド史、オスマントルコ史、フランス史を始め著作多数。

内容説明

1852年7月、ペリー出港の4カ月前にニューヨークで出版された本書は、アメリカの日本開国計画の成否を固唾をのんで見つめていた米英知識人のニーズに応え、大英帝国の一流の歴史・地誌学者が書いた「日本の履歴書」だ。著者に鎖国日本への訪日経験はない。スペイン、ポルトガル、オランダ人の記録をはじめとする玉石とりまぜた文献・情報をもとに日本の歴史、地理から日本人のルーツや民族性まで網羅し解説しているのだが、天皇と将軍の権威の並立をはっきりと認識するなど、その分析力は驚くほど的確だ。死を覚悟して戦い、勤勉で社交的な日本人の資質も高く評価。米英はすでに1853年のペリー来航以前に、日本および日本人について恐るべき精度で把握していたのだとわかる。アメリカのペリー派遣の本当の目的を知り、米英の対日イメージの原点を理解するための最重要資料の初の全訳である。

目次

西洋との接触
日本の地理
民族と歴史
宗教
政体
鉱物および希少金属
植物
動物
芸術、工業、造船、航海
娯楽、嗜好、民族性
言語、文学、科学、音楽、絵画

著者等紹介

マックファーレン,チャールズ[マックファーレン,チャールズ][MacFarlane,Charles]
1799‐1858年。イギリス有数の歴史・地誌学者。インド史、オスマントルコ史、フランス史をはじめ、この分野で多くの著作がある

渡辺惣樹[ワタナベソウキ]
1954年生まれ。静岡県下田市出身。77年、東京大学経済学部卒業。日本専売公社(現JT)勤務を経て、82年、カナダ移住。現在ソーワトレーディング代表。事業のかたわら、近現代における日米関係の深層を新たな視点から探るべく、米側史料を広く渉猟(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

22
1852年7月、ニューヨークで出版(表紙見返し)。日本人には性的に自省心がないという性癖があった(42頁)。鎖国の息苦しさだったのだろうか。1623年には4万ポンドを平戸で注ぎ込んだが、日本からの撤退を余儀なくされた(63頁)。1846年、アメリカは日本漂着の自国漂流民を 救出しなければならなかった(92頁)。通訳の日本人は長崎の通訳と同じように流暢にオランダ語を操った(93頁)。 2014/09/15

はるゆう

1
1章が一番興味深い。ペリー来航の背景には、パナマ運河による大西洋-太平洋の接続(この時点では、まだ計画段階?)やアメリカのカリフォルニア獲得によって、太平洋航路による欧米・アジア貿易が高まったことがあった、との記述(1章)はいろいろ気づかされた。この記述で、自分の中で、「ペリー来航」という日本史での出来事の捉え方が変わった。また、ポルトガルが日本のカトリック信者を使って日本国内の治安を混乱させようと計画していたこと(p47)やポルトガルとオランダとの対立、といったことも初めて知った。2012/05/24

Hiroki Nishizumi

1
学者って言うのはたいしたものだ。過去の文献だけでこれほど正確なものを書けるとは。現代の普通の市民よりよほど詳しい。江戸時代でも英米の必要な人々の対日イメージは正しかったと思う。2012/04/05

マッシュ

1
当時の欧米から見た日本は今のそれ以上に違和感もたくさんあるけど、江戸末期までに意外と日本の事知られてたんだなぁと思う。調べても調べてもよくわからない土地ってのが地球上に存在した時代ってドキドキするな♪

Yoshika Komatsu

0
■図書館本 ■副題の『ペリー遠征計画の基礎資料』にあるように、日本と西洋各国との接触、地理・気候、民族と歴史、宗教、政体、鉱物資源、動植物、芸術・工業、娯楽・民族性、言語・文学・科学・音楽・絵画など、日本の分析が事細かに書かれている。 ■民族の歴史の章では、歴代天皇の統治、事績まで調べられており、現代日本人よりも、日本の国体と政体の違いをよっぽど理解している。 ■ペリー来航は、通説にあるような、捕鯨船の寄港目的ではない、しっかり日本の政治状況を把握・事前準備した上での開国要求だったことがよく分かる。 2021/12/16

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