内容説明
百年に一度の大不況下で、中国に世界経済復活の牽引役を期待する向きは多い。だが、中国自身、危機をチャンスと見る当初の楽観論を捨てつつある。GDP成長の急落、対米債券投資のリスク。それだけではない。急速な市場化がいびつな形で現われ、矛盾が深刻化しているのだ。極端な社会の二極化、悪労働条件、官僚の腐敗。それらが新たな騒乱の火種となるかもしれない。自由主義経済を推進してきた「新自由派(右派)」に変わって「新左派」が勢いを増している。両派の対立は激しいイデオロギー闘争に発展するのか…。中国屈指の実践派エコノミストが、鋭い批評精神と皮膚感覚でとらえた「中国・本当の危機」。中国経済の今後を見通すうえで必読の経済論集。
目次
第1章 中国はいかにしてアメリカ発の大難から逃れるか
第2章 今こそ外向型戦略から内向型戦略への転換を
第3章 中国には労働契約法があるだけでは不十分だ
第4章 メイド・イン・チャイナの問題と解決策
第5章 改革から三〇年、拡大する格差、矛盾と深刻な腐敗
第6章 王権政治と官僚政治、民主政治を比較する
第7章 二〇〇九年の経済展望と中国の対応
資料 中国は重商主義を深く反省すべきだ―我が国の発展戦略調整に関する一考察
著者等紹介
仲大軍[チュウタイグン]
1952年、山東省済南生まれ。上海・復旦大学卒業後、国営新華社通信で経済関連を担当、95年、『中国経済時報』(国務院発展研究中心“センター”発行)記者。2000年、民間シンクタンク「北京大軍経済観察研究中心」を設立。官庁エコノミストとは一線を画し、一貫して庶民の立場に立って積極的に提言するほか、官僚主義政治、既得権益層の固定化を批判。調査・講演のために全国をくまなく歩く実践派エコノミスト
坂井臣之助[サカイシンノスケ]
1941年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。共同通信社入社。2度の香港特派員、編集委員兼論説委員を経て、現在東海大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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