内容説明
下町の夜空に十年間だけ咲いた光の球場東京スタジアム、幾多の名勝負の舞台となったボロ球場川崎球場、ナニワの繁華街のど真ん中でホークス栄光の歴史を刻んだ大阪球場ほか、消えていった名球場の知られざるエピソード満載。日本球界の軌跡をスタジアムの歩みと共に振り返る味わい深い一冊。
目次
東京スタジアム
後楽園球場
川崎球場
横浜平和球場(ゲーリック球場)
早大安部球場(戸塚球場)
大阪球場(大阪スタヂアム)
西宮球場
日生球場
藤井寺球場
平和台球場
県営宮城球場
札幌市営中島球場
上井草球場
武蔵野グリーンパーク(東京スタディアム)
駒澤球場
著者等紹介
佐野正幸[サノマサユキ]
1952年札幌市生れ。札幌光星高~神奈川大卒。ファンレターが縁で阪急(のち近鉄)監督の西本幸雄氏に心酔。上京後、西本監督応援のため全国の球場をかけまわる。氏との縁で近鉄百貨店に入社。球団消滅まで、近鉄応援がライフワークだった。98年近鉄百貨店退社後、文筆業に。スタンド視点の新しいタイプの野球作家として著作多数。北海道新聞・札幌圏ニュース「がんばれファイターズ」にコラムを連載しているほか、司会・講演等でも幅広く活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スプリント
8
懐かしい球場の逸話が盛りだくさんです。川崎球場や藤井寺球場は珍プレー好プレーでよく登場していました。ひどいヤジや閑散としたスタンドがいじられていたのを覚えています。著者が生粋の野球ファンであり応援団であることから実体験に基づいたエピソードが多く楽しめました。2014/10/25
moonanddai
4
この本を読みながら、山口瞳の名著「草競馬放浪記」を思い出しました。後楽園球場を「草競馬」に含めるのもなんかと思いますが、その場の広さというか「狭さ」から醸し出される「一体感」みたいなものがあるのかもしれません。そしてその後に生まれるだろう興奮に対する「期待感」…。馬券を買って本場場に対するときと、薄暗い階段を上って明るいグランドを見たときの、(大げさに言うと)感動のようなもの…。今ドームに行ったら、まずビールですけど。2015/04/14
ともひろかただ
4
かつて多くあった球場のデータや逸話を、著者の思い出とともに紹介していく。プロ野球の本拠地として使われた「後楽園球場」やロッテの「川崎球場」、バファローズの「藤井寺球場」から、東京下町にあった「東京スタジアム」や「日生球場」といったあまり知られていない球場まで。文章から当時のあらくれた雰囲気や寂れたにおいなんかが立ち上がってくるよう。古い球場はたまらなくノスタルジーを掻き立てるものなのだなあ。こち亀にも出た「東京スタジアム」で週刊誌が女性のグラビア撮影するときに球場側とやったという攻防が秀逸。笑。2014/05/02
さんつきくん
4
著者は近鉄の応援団長。その縁で訪れた球場のエピソードと、今はなき球場を調べた上げたもの。戦前に存在した球場。改修工事をしたら遺跡が発見された球場。わずか数年しか存在しなかった球場。球場こそ古いが、仙台市民が応援をがんばっている著者に差し入れをする話は面白く読めた。なかでも強烈なのは川崎球場。選手がファンを気にせず平気で隣の食堂で食べてたとか、観客が少ないのでスタンドで観客が試合中に流しそうめんをしていたとか、トイレが汚すぎて、戦時中の刑務所を舞台にした映画のロケ地になったなど笑えるものばかり。とにかく興味2012/05/21
川
4
球場史のようなものが好きなので、まとまった読めて嬉しい一冊。色々なエピソードが含まれて興味深く読みました。紹介する球場数を減らしてもいいからもう少し各球場のエピソードを深く描いてくれても嬉しかったようにも思った。個人的には結局のところ近鉄は藤井寺とともにあったみたいな描写に大変納得しました。高校野球好きの身には日生球場も復活して欲しい…。2011/06/23