出版社内容情報
『車輪の下』で有名なドイツの文豪の初の本格的評伝。一九世紀末の南ドイツに生れ、危機の時代を生きた彼の波瀾に満ちた生涯。
内容説明
1877年、南ドイツのカルフで敬虔派の宣教師の一族に生まれたヘッセは、マウルブロン神学校に入学するも素行不良で退学になり、書店員をつとめたあと『ペーター・カーメンツィント』『車輪の下』で小説家として自立する。結婚とその破綻、第一次大戦とヨーロッパの破壊の中でヘッセはどう生き、どう書いたか。上巻は大戦後と『デーミアン』まで。本書はヘッセ評伝の決定版である。
目次
第1章 少年時代と満たされない心
第2章 新しい人生、その一―書店員から作家へ
第3章 新しい人生、その二―作家とその家庭
第4章 崩壊する牧歌的生活
第5章 危機から戦争へ
著者等紹介
フリードマン,ラルフ[フリードマン,ラルフ][Freedman,Ralph]
1920年ハンブルク生まれ。1940年にアメリカに渡る。アイオワ州立大学をへて、プリンストン大学比較文学科教授
藤川芳朗[フジカワヨシロウ]
1968年、東京都立大大学院修了。現在、横浜市立大学教授
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感想・レビュー
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ゆきえ
10
ヘッセの人生がここまで辛いものだったのは知らなかった。私は、自分ほどの辛い人生を送っている人もそういないだろうと思っていたのだけど、ヘッセもこんなに…と、驚いた。「ヘッセが肉体的にあまりにも病気にかかりやすかったことは、精神的にあまりにも緊張していたせいでもあった。」。そうなんだよ。ストレスがいちばん体に悪いんだよ。だから私はストレスで、線維筋痛症という病気になってしまいました。下巻はもう少ししてから読もう。ヘッセはすごいな。この本をもっと早く読みたかった。2017/03/30
ともすけ
2
最初は面白くなかったのですが徐々に引き込まれていきました。やはりヘッセを読む前に一通りゲーテを読んでおいた方がいいかなと思いました。ヘッセの教養小説の土台にはゲーテが色濃く出ているのです。これから読む本ができて楽しみが増えました。この上巻は第一次大戦当たりまでです。2012/03/22