内容説明
いかなる進化劇が展開されてきたのか―。尽きせぬ謎を解く鍵を探し、古生物学者たちは世界中を奔走する!大英自然史博物館の古生物学者が、化石資料を縦横無尽に駆使し、自身の発掘調査の興奮を織り交ぜながら、広大無辺な40億年を一つの物語にまとめ上げた、決定版・生命史。
目次
第1章 悠久の海
第2章 塵から生命へ
第3章 細胞、組織、体
第4章 私のお気に入りと仲間たち
第5章 豊饒の海
第6章 陸上へ
第7章 森の静謐、海の賑わい
第8章 大陸塊
第9章 壮大なものと控えめなもの
第10章 終末理論
第11章 乳飲み子の成功
第12章 人類
第13章 偶然の力
著者等紹介
フォーティ,リチャード[フォーティ,リチャード][Fortey,Richard A.]
1946年生まれ。大英自然史博物館古無脊椎動物部門主席研究員。英国古生物学会会長(1994‐96)、ブリストル大学科学技術公衆理解担当客員教授(2002)ほか要職を歴任。数々の学術賞を受賞。いちばんの専門はオルドビス紀の三葉虫と筆石類の進化・生態・体系学
渡辺政隆[ワタナベマサタカ]
1955年生まれ。東京大学農学系大学院博士課程修了。サイエンスライター。奈良先端科学技術大学院大学客員助教授等を経て、現在、文部科学省科学技術政策研究所上席研究員として、科学技術公衆理解増進に関する調査研究に従事
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
31
生物、地質の歴史を丹念に解説する。確かに40億年を一冊で書くのでどの時代も駆け足だが面白かった。たまに挿入される研究者としての体験談も面白い。著者のフォーティー氏は三葉虫のマニアらしく、三葉虫を主人公にしてジュラシックパークみたいな本を書いてみたいとどこかに述べていた。是非読んでみたい。
赤い熊熊
17
タイトルどおり、海底火山の熱水噴出口の付近で発生した生命が、地質年代を経ながらどんなふうに進化してきたのかを書いてある本。予備知識として要求されていることのうち、地質年代は巻頭の年表を首っ引きで読んでるうちに何となく前後関係ぐらいは分かるようになるのですが、古生物学者や地名については「誰?」「どこ?」となることが多くて厄介でした。古生物学に造詣のある人なら没頭して楽しめそうです。余分なところを剥ぎ取ると70パーセント程度の分量になりそうで、そうであったなら、かなり面白く勉強になる本。2016/02/08
しんかい32
7
内容はタイトルの通り。微生物や、脊椎動物が活躍する以前のけっこう地味な動植物についてもじっくりページを割いているが、なかなか興味深く読めたのは著者の筆力のゆえか。ペルム期末の大絶滅のようすなど、一般向けの本でこれほど詳しく説明してくれるものは珍しいように思う。個人的には、数十メートルにもなる巨大なストロマトライトのことが忘れられない。2010/06/02
Akio_Satake
6
すっかりフォーティーが好きになった一冊。読み心地がよく、何億年の堆積にロマンを感じるフォーティーがとても好き。咲いていない花を捜して飛ぶ蛾なんて、なんてエレガントな知性なんだろう。知らないことがたくさん、知りたいことがたくさん詰まっていた一冊だった。グールドに対抗?個人的には、飛び越えて素晴らしい良書でした。ありがとう。2013/01/18
いきもの
5
偶然と助走と拡散。地球に存在した生物たちに思いを馳せる。すべての生物を知ることができないというのが、なんだか歯がゆい。2018/03/19