天皇の鷹匠

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794211781
  • NDC分類 384.35
  • Cコード C0095

内容説明

千六百年の古より伝わる鷹狩りの伝統は、徳川幕府の下、各大名が庇護し、切磋琢磨を重ね、粋を究めた。本来独立心の強い鷹をいかに馴らし、仕込み、使うか。その真髄たる「人鷹一体」とはいかなるものか。宮内省鷹匠として徳川家直参の諏訪流を修めた著者が、鷹狩りの技と心、知られざる御猟場での暮らしから外交団を招いての接待鴨猟の様子まで、鷹とともに生きた半世紀を語る。

目次

1 浜離宮の修業時代(鷹匠の歴史;震災が結んだ鷹との縁;鷹匠小屋の暮らし ほか)
2 鷹と共に暮らす(鷹の訓練;馴らし、仕込み、使う;夜据え日記 ほか)
3 伝統と共に生きる(仕込みは楽だが物足らない;鷹を鳩で釣る;富士裾野で兎を捕る ほか)

著者等紹介

花見薫[ハナミカオル]
徳川家直参諏訪流第十六代鷹師。明治43年、茨城県生まれ。大正13年、宮内省浜離宮へ鷹匠補として採用。昭和2年、鷹匠に。昭和17年、新浜鴨場飼付主任、埼玉鴨場猟場長、鴨場長を経て、同51年退職。昭和60年より日本放鷹協会会長。平成14年7月11日、逝去。享年九十一歳
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感想・レビュー

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ゆうゆうpanda

48
「鳥が好きで賢い者がほしい」という鷹師の要望でスカウトされた少年。満十四歳の花見少年が文章を書くのが大好きだったことは日本の文化にとって非常に幸運なことだったと思う。戦争やその後のアメリカの支配によって形骸化してしまった鷹狩の本来の姿を、的確でテンポ良い文章で読めた。非常に面白かった。神経質な蒼鷹を慣らしていくには、餌やりをコントロールし、夜道を連れ歩く。驚かせて締まったら落ち着きのない性質になって使い物にならない。また、鷹匠の仕事は鴨場の設計から賓客への鴨すきの接待まで等々。驚きに溢れた逞しき狩猟文化!2016/12/07

就寝30分前

18
今は廃止された宮内庁直轄の鷹匠の、崇高な生き様に拍手。『たかしょう』じゃなく『たかじょう』と読むんだ。2016/06/24

神在月

8
花見薫は大正13年、15歳で宮内省に鷹匠補として雇われる。月給25円は破格。銀座で知り合ったサラリーマンは25歳で月給5円だった。浜離宮での鷹匠小屋での生活が始まる。当時、水道はあったが、電気はまだ引かれていなかった。師匠は諏訪流、小林鷹師。鷹の餌は鳩だから鳩小屋の世話から始まった。浜離宮の話がめちゃくちゃ面白い。当時の浜離宮には蛇山があって大蛇が住んでいた。丹頂鶴も飼育していたというし、なんていうかビックリ箱。子宝が授かる霊木があって、やんごとなき皇族の奥方がこっそりとその木を触りに来るという話が好き。2025/01/13

向う岸

7
鷹匠に憧れるのですよ(二回目)。大正の終わりから半生記を宮内省の鷹匠として仕えた著者が主に戦前に行われた鷹の育成や狩りの作法を振り返る。戦後は鷹狩が残酷であるという理由でどんどん縮小されていくが、直轄の広大な狩猟場を持っていたことで多くの野鳥や野生動物の保護が出来ていたことが無視されてしまうことに。浜離宮にいた頃は、関東大震災から復興した銀座を鷹を据えて歩いていたそうで、何だかロマンがあるなあ。鷹匠に必要なのはとにかく根気。僕も鷹匠になったら人間性が練られるのかな。2014/04/20

nemunomori

6
小粋な語り口がたまらなく面白いです。昭和初期の頃の東京言葉は浅田次郎さんの「天切り松シリーズ」から抜け出てきたようで、名人の落語のまくらを聞いている気分でした。筆者の修行時代からの思い出を交えて、鷹匠の日常やその仕事振りを紹介する内容ですが、決して人には馴れない猛禽類をどうやって狩りに使うか、という高度なテクニックだけでなく、鷹への愛情や尊敬の思いにあふれています。時代の貴重な記録でもあり宝物にしたい傑作でした。2018/07/22

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