内容説明
宇宙を考えることは、時空を考えることだ。時間とは何か、空間とは何か―古来、科学者はこの謎に挑みつづけた。20世紀初頭に現れた相対性理論と量子論は、時空の見方を根底から覆してしまった。そして21世紀―いま、その二つの理論を統合する試みが、さらに革命的な答えをもたらそうとしている!ホーキング理論から超ひも理論まで、最新の宇宙物理学の到達点を一望する、格好の入門書。
目次
量子重力の探究
宇宙の外部には何もない
未来にはもっとわかるだろう
多数の観測者、多数でない世界
宇宙は事物ではなく、過程である
ブラックホールと隠れた領域
加速度と熱
ブラックホールは熱い
面積と情報
いかに空間を数えるか
ノット、リンクとキンク
空間は弦の音がする
ホログラフィック原理
いかにひもを組み立てるか
何が自然法則を選ぶのか
ありうべき未来
著者等紹介
スモーリン,リー[スモーリン,リー][Smolin,Lee]
理論物理学者。ハーバード大学、シカゴ大学、イェール大学などを経て、現在はペンシルヴァニア州立大学重力物理学・幾何学センター物理学教授。相対性理論と宇宙論を量子論に統合する研究において第一線で活躍している
林一[ハヤシハジメ]
1933年、台北市生まれ。1959年、立教大学理学部物理学科卒業。昭和薬科大学教授を経て、現在、同大学名誉教授。専攻は物理学、科学史
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感想・レビュー
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手押し戦車
12
光は重力に逆らって進む間にエネルギーを失い速度は一定だが波長が伸びブラックホールから脱出している間にエネルギーを失い、限界以上に波長が伸び、ブラックホールから光が出てこない。ブラックホール蒸発で質量が軽くなると温度は質量に反比例し熱くなる。金属を臨界温度以下まで冷やし超伝導体に変える事が出来る水が凍るのに似てる現象が起き電子が原子から解放され抵抗されず内部を動き回れる。相対性理論では、重力は時空を歪め、時間を凍らす。エネルギは光速に近づく電子が原子から解放されエネルギーを出す。原爆はE=mc2の容量だ。2014/07/09
田蛙澄
1
時間論において時間は最小単位をもつ離散的なものでなければならないのではないかと以前から考えていて、物理学でも同じ考えがあると知って読んでみたが、とても興奮させられる内容だった。ブラックホールの地平線の面積とそのエントロピーが比例するという原理から、ペンローズのスピンネットワーク、ひも理論、ループ量子重力論、ホログラフィック原理へと話が進み、量子論の絶対時空への背景依存と相対性理論の外的観測者という相互的な問題を解決するための道標が描写され、最後には自然選択的宇宙論にまでいたる壮大な話で、感動的だった。2017/03/05
zakupippo
0
読むのに時間がかかった本。2002年頃の本だが、ホログラム原理や、マルチユニバースをから知れたのかと、もう少し早く読んでいればと思った。2018/05/07
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- 和書
- 紙の罠 ちくま文庫