タスマニア最後の「女王」トルカニニ

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794210043
  • NDC分類 271.8
  • Cコード C0022

内容説明

19世紀初め、一攫千金の野望を胸に、オーストラリア・タスマニア島に渡ったロンドンの貧しい煉瓦職人ロビンソン。タスマニア人のなかに難なく溶け込んだ彼は、高額の報奨金を得るべく、「フレンドリー・ミッション」を組織し、「融和」の名のもとに原住民の囲い込みに励む。旺盛な好奇心ゆえに彼のミッションの水先案内をつとめた島の少女トルカニニは、はからずもタスマニア人絶滅に加担し、みずから最後のタスマニア人として、波瀾の生涯を終えた。運命的に出会った二人の足跡をたどり、大英帝国に未曾有の繁栄をもたらした植民地政策が引き起こした「楽園の島」の悲劇の全貌を明らかにした異色の歴史読み物である。

目次

プロローグ 悲しい島、タスマニアの悲劇
第1章 トルカニニ
第2章 ロビンソン
第3章 フレンドリー・ミッション
第4章 ブラックライン
第5章 ラスト・ミッション
第6章 ワイバレンナ
第7章 オイスターコーヴ
第8章 トルカニニの死
エピローグ 人種の絶滅とは

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

4
19世紀前半、大英帝国の場末植民地オーストラリアの更に場末のタスマニア島を舞台に、まつろわぬ原住民族(豪州本土のアボリジニとは少し違うタスマニア人)をなんとか帰順させようとした結果、絶滅させてしまった悲劇の歴史を掘り起こした珍しい内容の本。その政策の中心となったイギリス人と、その愛人となり、有能な助手となったタスマニア人女性との関係を中心に、狩猟民のタスマニア人が離島に強制移住させられ、農業を強いられ、生きる気力を失なって絶滅する過程を綴っている。当時の欧米人が、非欧米人に対し、いかに冷酷だったかがわかる2020/03/04

まろにしも

3
★★★★ イギリス帝国主義の犠牲となった植民地諸国の一つであるタスマニア。主として流刑者達がこの島に住み、出所後はこの地でアザラシ漁をして生計をたてる。彼らと先住民との交流は当初は友好的なものだったが、小競り合いからやがて白人による一方的な先住民排除という動きへと発展してしまう。その中に先住民女性トルカニニも巻き込まれてしまう。彼女の好奇心や愛情、利発さに助けられておきながら白人ロビンソンは彼女を・・・2015/06/13

JS

1
「インディアスの破壊についての簡潔な報告」のように残虐な侵略者vs善良で可哀相なタスマニア人、という単純な構図かと思いきや意外とそんなストレートなストーリーでも無く、トルカニニもロビンソンも二面性のある人物として書かれていて、だからこそ当時の侵略の様子がリアルに伝わってくる。非難されるべき侵略であることに変わりはありませんが。2015/02/20

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