内容説明
個性尊重の前に古典教育を!日本の学校が駄目になった原因は「歴史の喪失」にある―。元・修猷館高校の名物国語教師による珠玉の教育論。
目次
第1章 現代の教育の病根―「歴史」の喪失(学校が見失った「学問のよろこび」;戦後の国語改革で奪われた「日本語のいのち」 ほか)
第2章 教室から消えた「物を見る目」(心を働かせて「物」を見る;「物のいのち」へのつつしみ ほか)
第3章 戦後教育の中の「戦争と平和」(文武論―人生から「武」を排除できるか;歴史は「理解する」ものではなく「味わう」もの ほか)
終章 「戦後思想」克服のために
著者等紹介
小柳陽太郎[コヤナギヨウタロウ]
大正12年(1923年)生まれ。旧制佐賀高等学校を経て、東京帝国大学文学部に入学。学徒出陣。戦後、九州帝国大学文学部国文学科に転学し、卒業。福岡県立修猷館高校で長年にわたり教鞭をとる。元九州造型短期大学教授。現在、社団法人国民文化研究会副理事長。著書に『戦後教育の中で』(国文研叢書)、編著に『歴代天皇の御歌』(日本教文社)、『平成の大みうたを仰ぐ』(展転社)などがある
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感想・レビュー
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yamatoshiuruhashi
2
永年、高校の教壇に立ってきた著者が、日本人として必要なもの、失われてきたものを教えてくれる。一国の教育が破壊されれば、その国は徐々に失われていくのは本書の論を俟たない。古典とは歴史を生き残って来た財産である。和漢の古典に親しみ、日本語としてのリズムと表現の美しさに大人が再び気が付くことが必要なのかなと感じた一冊。2015/04/05
オラヒラオ
0
お借りした本です。 前半部分はかなり共感できるところが多かったのですが、 後半部分は共感できかねる箇所もありました。 長い人類の歴史の英知を、後世に伝えるための役割と いう言葉を胸に刻み込んで頑張っていきたいものです。2013/02/07
WS
0
占領政策等近現代史の見直しについては今でこそ行われているが、執筆当時のことを考えると先見の明というか、教養の深さというか、筆者の凄みのようなものを感じる本だった。河村幹雄という人物について初めて知ったので関連著書を読みたい。戦争を見るとき自然現象のように捉えることの不味さを指摘していて、主体の把握の大切さを知った。2022/02/15