内容説明
昭和十八年アメリカは新造の空母と戦艦を中心とした大機動部隊の編成を終え、ギルバート・マーシャル方面からの反攻を開始する。日本海軍の計画によれば、これらの島につくられた航空要塞が敵を迎え撃ち、大損害を与えるはずであった。ところが、想像を絶する米軍大兵力の来攻で、航空要塞は何の役にも立たず、陸戦隊のみの戦いとなった。島を守るのは海軍陸戦隊二個大隊二千数百名。頑強に抵抗し、敵に同等以上の損害を与えたものの、三日半で玉砕する。本書は玉砕三カ月前までタラワで先任中隊長をつとめていた著者が、この戦いの全体を描いた渾身の戦記である。海軍内部の人間関係が見事に描かれていると同時に、前線部隊の将兵たちの勇敢さとは対照的に、秀才を集めた司令部の齟齬という、日本海軍がもっていた宿痾もまたよく見えてくる。ここには現在に通じるものがある。
目次
第1部 孤島の開戦(開戦前夜の大艦巨砲主義;マーシャル群島で迎えた日米開戦 ほか)
第2部 アメリカ海兵隊マキン奇襲上陸(マキン守備隊全滅;増援陸戦隊マキン上陸 ほか)
第3部 タラワの陸戦隊(館山砲術学校;佐鎮七特、タラワへ ほか)
第4部 玉砕(米空母機動部隊タラワ空襲―昭和十八年九月十八日‐二十日;米軍「ガルバニック作戦」開始―十一月十九日‐二十日 ほか)
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