内容説明
新興国・途上国の側からのグローバル正義への働きかけ。それは、反欧米という動機に基づくものなのか。それとも、より普遍的な正義を展望するものなのか。
目次
序章 グローバル正義とグローバルサウス
第1部 グローバル正義をめぐる新たなポリティクス(人権侵害補償をめぐるグローバル正義の進展 フィリピン・マルコス戒厳令下の人権侵害補償を通じて;文化遺産の返還がグローバルな正義になるとき ヨーロッパ諸国におけるミュージアムの脱植民地化;地域化する移行期正義とアフリカ連合の戦略性 EUとの相違と南スーダンの現況から考えるアフリカ連合移行期正義政策;グローバルな規範の受容と拒絶のはざまで 「人間の安全保障」規範をめぐる剪定、育種、寄生;シリア 概念の戦い、ネオリベラリズム、多極体制;誰を先住民とカウントするのか? 自己規定(self‐identification)の標準化(standardization)とペルーの国勢調査)
第2部 グローバル正義の展望(集合的な創造性に関する知的所有概念の変容 南アフリカのルイボス利益配分の事例から;中国の社会主義的近代化推進期における女性の労働参加をどう評価するか;歴史的不正義と向き合う方法;アート、アクティヴィズム、グローバルな正義 フォレンジック・アーキテクチャの「揺れ」をめぐって)
著者等紹介
阿部利洋[アベトシヒロ]
1973年生まれ。大谷大学社会学部教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。社会学、地域研究(南アフリカ、カンボジア)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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