内容説明
世紀の大ウソなのか?異星人の来訪なのか?半世紀にわたるUFO事件を客観的に検証し、現代の神話が生み出される状況を考察する。
目次
最初の目撃者―アーノルド事件
UFO神話の誕生―隠されたパターン
コンタクティの登場―アダムスキー騒動
神話とアレゴリー―C・G・ユング
エイリアン・アブダクション―ヒル夫妻のケース
未確認飛行物体の起源―聖書エゼキエル書
UFO観光名所?―ソコロ事件
姿なき神々―ヘルメス、トリックスター、ディオニュソス
ハサミ男との遭遇―パスカグーラ事件
神々の置き土産―マヤ、縄文〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
6
UFO史の中でもユング派の著者による本書はひときわ変わり種!肯定派だが旧約のエゼキエルまで遡り、エイリアンの奇妙さをヘルメスやトリックスターにたとえる文化史、人類学の博識さが強み。著者はUFO事件自体をある種の元型、叙事詩やアレゴリーと捉えて、この世とあの世のボーダーランド、この世ならざる法則の存在の、働きかけと見ている。ベイトソンやユングなど精神思想の先駆者たちを継ぎながら、UFO事件に留まらず怪奇現象全般にアプローチしようとする姿勢とそのイマジネーション豊かな仮説は、肯定派の中でもとりわけ本格的2011/12/17
印度 洋一郎
5
著者はニューエイジ系ジャーナリスト。ケネス・アーノルド事件から、アダムスキー事件、バーニー・ヒル事件、ロズウェル事件、ストリーバー事件など90年代までのアメリカUFO目撃史を概観している。UFOの実在云々よりも「人は何故UFOを見るのか?」「コンタクティの体験談は何故預言者の伝承と似ているのか?」「宇宙人との遭遇は何故妖精譚に似ているのか?」等、人間が未知なるものと接触する心理的文化的な構造を考察する。昔から人間はこの世ならざる何かを見ていたし、それは今も続いている。しかし、その何かの正体はわからないまま2022/11/09