内容説明
本書は、日露戦争の数年前に来日し現在の一橋大学などで二十数年にわたって教鞭をとったドイツ人が、日本滞在中に深い感銘をうけた忠臣蔵や白虎隊悲話、日本人の信仰などについて書き綴ったものである。日本の近代化に寄与すべく来日したはずのドイツ人教師は、身を捨てて忠誠を尽くすサムライの物語や自我を否定する日本人の信仰に魅せられて、結局は病める西洋文明へのアンチテーゼをこの国で発見することになる―かつて日本にあった精神文化を生き生きと伝える異色の日本人論。
目次
第1部 日本人の忠誠心について(忠誠心の歴史;忠臣蔵の段;先代萩の段;白虎隊の段)
第2部 日本の宗教について(神道について;儒教について;仏教について)