内容説明
子供による家族殺人が起こるのは、上昇指向の強い、支配的な親が営む裕福な中流家庭ばかりだった―。自立心、人格、主体性のすべてを奪われ、親の鋳型にはめられた子供は、そこから逃れるには家族を抹殺するしかないと考えはじめる…現代の中流家庭が抱えこむ危うさを明らかにした、衝撃作。
目次
第1章 家族を抹殺する
第2章 野心家の億万長者
第3章 陸軍士官候補生
第4章 ビュイック代理店の店員
第5章 詩が好きだった少女
第6章 家族殺人の歴史社会学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドント
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外国の5つの家庭で起きた、息子あるいは娘による家族全員殺害事件をとりあげ、その背景を丁寧に読みほどいていき、最後に資料やデータを活用したまとめの章をおく腰の据わった一冊。取り上げる事件そのものやその背景がもう大層アレなのでげっそりとしてしまうが、犯人達の抱えていた「爆弾」は、日本人にとっても理解できないものではないだろうと思う。社会階層を移動できるという現代化が中流家庭や成り上がりを目指す家庭に希望と圧迫感を与えるという指摘は今の日本でもすごく響くところがあるのではないか。こわい。2013/09/12
ハル
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爆弾作るとか。。。笑2011/07/14
きち
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現代は「ただひとり生き残った者」で、家族皆殺し事件はなぜ起きるのかを分析した本です。中流家庭の不安定さが原因とする筆者の意見に納得できます。2008/06/25