内容説明
私たちはパターンの織りなす宇宙に住む。惑星はきちんと軌道をめぐり、ヒョウはいつも斑点の模様だ。さらに、でたらめでとらえどころがないと思われていた現象にも、複雑な秘められたパターンが見いだされつつある。この世界には一体、どんな法則が隠されているのか。カオス理論から複雑系の科学まで世界の謎をとく鍵を示し、自然認識の変革をせまる。
目次
プロローグ 数学者の見る夢
1 パターンの宇宙
2 自然の謎をとく道具
3 証明という名の織物
4 カオスの秘宝
5 バイオリンからビデオへ
6 破れた対称の美学
7 生命のリズム
8 サイコロは神になれるか?
9 複雑系の単純さ
エピローグ 数学者は眠れない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶幸才斎
4
我々は数学を用いることで、一見多様で複雑に見える自然界を、シンプルな幾何学的パターンとして理解できる。自然界に見られる対称性は、構成部品が陽子や電子などの大量規格品であることに起因し、任意に生じる対称性の破れから多様なパターンを生じる。今日ではカオス理論によって、無規則・無秩序に思われた自然の現象や挙動の中に、隠れたパターンが見出せるようになった。読み終えると、視野に入るもの全てが数式に見えてくる。なんてことは全くないが、人の脳は元来、世界から必死にパターン抽出を試みているのだな、という感覚を実感できる。2016/09/14
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