内容説明
動物としてのヒトが人間になりかかったとき、なにが起こっていたのだろう。ヒトはいつから独自の「人間らしさ」を獲得していったのか。二足歩行から、脳の増大、そして言語生活や芸術活動まで、それぞれの進化の過程にそれぞれのストーリーがある。古人類学の第一人者が骨からたどる人類のルーツ。
目次
1 最初の人類
2 複雑な家系図
3 脳と骨盤のパラドックス
4 ヒトは高貴なハンターか?
5 現生人類の出現
6 芸術という伝達手段
7 言語という伝達手段
8 精神が生まれる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
手押し戦車
11
200万年前にはホモ属の脳は真の人間になりつつあり更に狩猟でチームワークを構築し芸術で壁に絵を書くようになる。精神のが生まれると言うより自我に目覚め過去の経験を脳にインプットして判断力を身に付けてから類人猿は人間に進んだ。仲間の「死」を自覚するようになったから生き行くという責任が芽生え文化が出来て発展して今がある。いつ人間になったかそれは死と相手を思いやるのを自覚した時からである。脳の大きさも有るがやはり心は利他心が生まれた時出来る。2014/05/28
いきもの
4
主に二足歩行、脳の発達、道具作製、言語の使用という点から我々の祖先が現代人のような「人間」になったのかを論じている。効率的な移動方法として二足歩行が発達やヒヒのようなライフスタイル、学習の必要から変化していった子供の成長速度など興味深かった。言語に関しては根拠となる遺物がないだけに進化の歴史を知るのはなかなか困難そうである(本書ではいろんな角度での研究や説を紹介しているけど)。2017/01/07
米川青馬
2
読了。効率的な移動方法、すなわち二足歩行を覚えて以来、ヒトは一貫して脳を大きくしてきた。その間、石器を作る技術を習得し、未成熟なまま生まれるネオテニー的生物となり、腐肉漁りからハンターへ成長し、シャーマニズムから芸術が始まり、社会的なツールとしての言語と意識を身につけていった。古人類学の成果から、著者はおおまかにこのような筋書きを立てている。一見当たり前に見えるが、実はそうでもない。古人類学は少ない情報を想像的仮説で補う学問で、様々な異論がある。著者の仮説はかなり挑戦的なのだ。読めばわかる。そこが面白い。2011/11/12
天使
1
楽しいけど、ちょいちょいむずい2022/06/18
まっさん
1
意外に面白かったな。後半からサピエンスが出てくるからか一気に興味深いというか、引き込まれるというか。訳者後書きも簡潔でいい文でした。2021/07/21