内容説明
自己複製を続けるDNAに導かれ、人類はどこへ向かうのか。ダーウィン主義の真髄にせまる。
目次
1 ディジタル・リバー
2 全アフリカとその子孫
3 ひそかに改良をなせ
4 神の効用関数
5 自己複製爆弾
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
手押し戦車
10
ミトコンドリアは全て母から貰う。精子が卵子にたどり着いた瞬間精子のミトコンドリアは全て破棄される。Y染色体は父親から貰うが生まれて来るのはXYとなり男になる。ある部品だけがよく出来過ぎていた他の部品より劣る事なく釣り合いが取れるように品質を落と自然淘汰こそ合理的。DNAは元は一本の大きい皮から枝分かれして、海と陸に別れ各個体の自然淘汰や捕食が繰り返され種の遺伝子を残す最適な小川を作って行く。猿と人間元は一本川から別れた、今でもわずか2%しか離れていない。別れた種はかなり離れているが、物事も何処かで繋ってる2014/05/05
Arowana
8
〝自然は残酷なのではなく、非情で冷淡なだけである。これは人間にとっては知らないですませたい最も不快な教訓である。われわれは認める気になれないが、自然の事象には善も悪もなければ、残酷も親切もなく、ただひたすら非情―何の目的意識もなく、あらゆる苦しみに無関心―なのかもしれない。われわれ人間は目的意識が頭から離れない。何を見ても、これは何のためにあるのかと思い、その動機、つまりその目的の背後にあるものはなんだろうと思わずにはいられない。…しかし、これはほぼ万人に共通の錯覚である。(140頁)〟2013/06/20
茶幸才斎
5
生物の構造、機能、行動は、何者かが目的を持って設計したかのように見えるし、完璧に機能する「眼」が生じる前に不完全な眼を持つ生物がいたとは想像しにくい。そうした疑問への回答も含め、しかし生物が今このようにあるのは、突然変異と自然淘汰だけで説明が可能だし、淘汰のふるいにかけられるのは(個体ではなく)遺伝子DNAだ、と云っている本。遺伝子DNAは、無目的にただただ勝手に自己複製し増殖する。少し前までこれを生命の驚異と無邪気に捉えていたが、今ではタガが外れ暴走しているような危うさを感じる。生物って、気持ち悪いな。2019/05/10
田蛙澄
4
ミームや利己的遺伝子などタームは知ってるけど、ドーキンスの著作をよく考えたらちゃんと読んだことがないので読んでみた。個人的には遺伝子の効用関数についての部分が一番面白かった。純粋に遺伝子を次世代により効率的に複製して残せるかが問題なので、遺伝子を残せる可能性以降の生存の不利については淘汰が働かないとか、あとは光感受細胞が眼球にまで進化するのに50万年くらいしか掛からないというシュミレーションとか、ミツバチダンスが多種の蜂の簡単なものから複雑なものに進化する過程の推論など進化の緩やかさへの説得力があった。2018/12/17
いきもの
3
あまりドーキンスの著作を読んだことがあるわけではないけれど、察するに平常運転のドーキンス。だけど多分わかりやすいらしいのでドーキンス入門書として良いのだろう。2016/01/06
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- 和書
- 九つの空 朝日文庫