内容説明
「自分の人生の春と夏はまたたく間に過ぎ、秋も半ばに来てしまった」―ミシガン州北部の農場で暮らすジョセフは43歳、長く地元の学校の教師を勤めている。ふたりの恋人、転校してきた奔放な女生徒と幼なじみとのどちらを選ぶかを迫られている彼は、このまま農場暮らしを続けるか、それともずっと抱いてきた夢、海のある土地に移り住むかの決断も下さなければならない。突然、岐路に立った彼は戸惑いの末にある確信を得る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みも
188
日本人的倫理観で推し量ると、なんともピントがずれる。男・43歳・高校教師。長い付き合いの幼馴染との結婚を視野に入れながら、17歳の教え子とも関係を持つ。日本なら犯罪だが、作中はどうも視点があらぬ方向にあり、二人の女性の間で迷い人生の岐路に立つ男の選択は?という形で描かれる。日本人には書けない視点ではあるが、それを許容する度量は僕にはない。「突然の秋」とは本来の季節を意味するものではなく「人生の秋」を指しており、それなら57歳になっている僕は「人生の冬」か。ミシガン州の広大で豊かな自然は端正に描かれている。2021/10/09