雪の中の軍曹

雪の中の軍曹

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  • サイズ B6判/ページ数 194p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794205520
  • NDC分類 976
  • Cコード C0098

内容説明

ロシア戦線に軍曹として従軍したイタリアを代表する作家リゴーニ・ステルンが戦争の真実の姿を描いた感動の名作。第二次大戦を描いた記録文学の最高傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

S.Mori

16
第二次世界大戦時のロシア戦線のイタリア軍の敗走の記録です。作者が詳細につけていた日記をもとにして書かれました。悲惨な戦争の只中で作者は言葉を綴ることで正気を保っていたそうです。あまり知られていませんが、イタリア文学の名作の一つではないかと思います。叙情ではなく叙事に徹した文章が美しいです。自分の仲間が銃弾に倒れた時に作者はただ死んだと書くだけで、自分の胸の内を書こうとしません。それでいて行間からは強い悲しみが伝わってきます。このような文体で作者が描こうとしたのは、一人一人の兵士たちの人間らしさでした。2019/11/23

harass

14
第二次大戦でイタリア軍兵士として従軍していた著者が描く手記。極寒のロシアでドイツ軍と友軍のイタリア軍部隊は、ロシア軍の大攻勢により敗走する。激戦の末に包囲を脱出するまでを簡潔な文章で語る。著者は軍曹としてほかの兵士を率いていた。イタリア人の国民性か兵士同士のやりとりが明るいのが慰めになる。昼間は延々と歩き夜はロシア人農家で食べ物をもらって寝させてもらう毎日だが、ある時偶然にも入った家にはすでにロシア兵数名が食事をしていた。お互い無言で食事をして何もなかったように著者は出て行くエピソードが強烈だ。2013/07/04

ぱせり

11
厳寒、豪雪に体を引きずって歩き続ける敗走の記録。後から振り返れば、改めて語ることさえどうしてもできないような出来事にいくつも遭遇した。ただ生き延びたことだけが奇跡ではないか。綺麗事のはずがない。それでも思ってしまう。どうしようもない泥沼に沈みながらも、天の星を仰ぎ見ることができる人は確かにいるのだろう。 2015/01/10

Hamken100%

7
舞台は第二次世界大戦のロシア戦線。著者の体験したイタリア軍部隊敗走の記録。戦闘シーンも多いが、冬のロシアの寒さのこと、食べ物のことが多く語られており、印象的だった。著者ステルンが「もっぱら人間の条件についてだけ語る」と言ったように、食べる事、生きて故郷に帰る事こそが、その条件なのかもしれない。「リーノ! 私は少年の日の彼の姿を思い出す。どうして大人になってしまったのかと彼に問いただしたくなる」 親しい同郷の友が亡くなり、あとに残ったのは怒りよりも、むしろ虚しさが強かったのではないだろうか。2016/08/24

ユーキー・ノウェイン

2
東部前線へ派遣されたイタリア陸軍山岳師団の軍曹である著者の手記。第一章では馬鹿をしつつも懸命に戦い追い払う。だが撤退が決まり以降からは苦しい敗走が始まる。作中の状況のせいか食事の描写が胃袋を刺激する。撤退の最中追撃するロシア軍に対し反撃をする前に戦友から挨拶と励みを貰い最後の煙草を吸うが、それが以降は段々と死が増える前触れに感じ、そして段々と知り合いが戦死していった。ある時農家の家へ入るとロシア兵が数名食事をしており、著者もそのまま食事をし、終えて戻るという出来事があり衝撃的だった。2013/08/16

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