内容説明
愛は4年で終わるのが自然であり、不倫も、離婚・再婚をくりかえすことも、生物学的には自然だと説く衝撃の書。男と女のゆくえを占う全米ベストセラー。
目次
1 求愛―ひとが演じるゲーム
2 恋愛感情―「どうして彼なのかしら」「どうして彼女なのだろう」
3 人間の絆―一夫一妻は自然なのか
4 なぜ不倫か―浮気の本質
5 4年めの浮気―離婚の青写真
6 樹上で暮らした祖先たち―高貴なる野蛮人が森を駆けまわっていたころ
7 エデンを離れて―一夫一妻と配偶者遺棄の源について
8 エロス―性的感情の出現
9 セイレーンの罠―ひとの性の進化
10 なぜ男と女はちがうのか―ひとの性的な頭脳の発達
11 ほとんど人類―血縁と10代の遺伝子
12 意識が花開く―最初の豊かな社会
13 気まぐれな情熱―太古のロマンス
14 死がふたりを分かつまで―西欧の2重基準の誕生
15 未来の性―過去に向かって
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ω
55
さまざまな経験をして、笑い合い、愛し合い、ともに戦ってきた男女が、どうしてこんな豊かな関係を捨てようとするのか。愛は熱病のようなもので、意志とかかわりなく来ては去る。 →世界の人々のピークはどんな条件にもかかわらず、だいたい四年目なのである。 その答えは遥かな昔、「高貴なる野蛮人が森を駆けまわっていたころ」の世界にある。 社会的な変化と進化をあちこち行きながら教えてくれる。ボノボとチンパンジーの歴然の差なんてのも面白い。 「そうね、四年よね」と、ウンウン頷いて読むのは悲しいけれど。2022/08/14
ステビア
19
狩猟採集時代への回帰2022/05/16
しんぺい
10
恋愛・結婚・離婚を「進化の産物」として捉え、浮気や不倫、再婚は人間が淘汰の中で獲得した繁殖戦略であり、適者生存の法則から見ても当然の行動とする。離婚が多いのは結婚後4年目で、これは原始時代の子育てサイクルと一致する。農耕社会では男性が経済力を持ち、女性は離婚できず耐えたが、現代は女性の経済的自立が進み、離婚や再婚は増加する。また恋愛感情の持続は約2年で、脳内物質の作用で説明できる。その後は鎮静作用のある物質が働き、穏やかな愛着が生まれる。愛の化学的作用を知ることは、自分の気持ちを冷静に見つめる助けになる。2025/05/25
CCC
9
人間の婚姻関係を繁殖戦略の観点から考察している。人類は一夫一妻制、双方浮気ありの状態に落ち着きやすいようだ。余談だけどナポレオンが妻のジョセフィーヌに風呂に入らないように言う手紙の話があって苦笑した。この引用見たの何度目になるだろう。歴史に名を残すのも大変だ。2023/12/27
mawaji
7
BSヒューマニエンスで坂口菊恵先生が紹介していたのを見て手に取ったAnatomy of Love。「不倫は文化」というようなことを言った芸能人がいたようにも思いますが、ダーウィニズムからいえば「婚外関係をもちたがる人間の習性は文化に対する自然の勝利」ということになるのでしょう。発情期の消失、音無し排卵、serial monogamyなど進化人類学的な考え方はとても興味深く思われました。「閉経後の女性の情熱ほど強力なパワーは世界じゅうどこを探してもない」といったマーガレット・ミード、読んでみたくなりました。2020/11/07
-
- 和書
- 風珈館異聞