内容説明
大国はなぜ没落するのか?その原因を膨大な歴史的事実から検証した名著。原注を付した決定版。
目次
第1部 産業革命以前の世界における戦略と経済(西欧世界の興隆;覇権に手をのばしたハプスブルク家;財政、地理、そして戦争の勝利)
第2部 産業革命の時代の戦略と経済(産業革命と世界の勢力のバランスの変化;二極世界の到来と「中級大国」の危機)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
43
昔読んでかなり面白いと思ったので最近再読しています。産業革命前後からの歴史をある視点を中心にして分析しています。経済と大国などの戦略(特に軍事的なもの)を中心に論じていて地政学的な分析があってかなり歴史の本としては興味深いものです。2014/11/16
Hiro
13
1500〜第一次大戦の欧米主要国の盛衰を、経済と軍事の構造から眺める。この世界では有名な著書らしい。ハッとする視点もけっこうあった▼視点や切り口は新鮮なんだけど、ディテールはものすごい量で、途中でお腹いっぱい感も▼イギリスが数百年かけて、フランス革命の処理さえ利用して確立した全世界商業覇権を、急速な工業化でキャッチアップしたドイツが、欧州覇権と世界への挑戦をかけたのが1914年の大戦で、結局勝敗のカギを握ったのは第三者のアメリカだった由。奇しくも25年後の大戦でもうり二つの構図が成立してしまっている。2023/07/08
Haruka Fukuhara
12
やや欧州に偏りがある気がしなくもないがとてもダイナミックで面白い歴史叙述だった。2017/09/25
ワッキー提督
6
徹底して大国のパワーポリティクスに焦点を絞った国際政治史。この分野の概要を掴むのに向いている。2017/03/07
ひろし
4
序盤は16世紀の世界。貧しい西洋から大国が生まれ、没落していく過程。ハプスブルク家の興隆、市場経済下での戦争と借金、金融の発達とオランダの台頭、費用のかからない制限戦争化、他の大国の没落、金融と海軍力に裏付けられた中級国イギリスの世界進出、フランスに生まれた国民国家、力を蓄えるロシア帝国とアメリカ、第一次大戦。世界史は戦いと借金の歴史、戦術の変化がもたらす変化、テクノロジーが変えた資源と戦争と産業と、金融が変えた力関係など。示唆に富む面白い内容。ただし、とても全部は覚えられない。2014/02/08