ラ・フォリア―ひとつの音に世界を見、ひとつの曲に自らを聞く

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ラ・フォリア―ひとつの音に世界を見、ひとつの曲に自らを聞く

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  • サイズ B6判/ページ数 331p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794202475
  • NDC分類 760.4

内容説明

“抒情と戦慄の作曲家”として特異な音楽宇宙を残して夭逝した音詩人の無垢な魂と繊細な耳がとらえた音楽の世界。ジェズアルド、バッハからホロヴィッツ、グールド、レノン、パウエルと、古典から現代まで分野を越えてめぐる音楽の思索。

目次

1 ミクロ宇宙、マクロの響き(異形者の指―ウラディミール・ホロヴィッツ;性急なロマン主義者―バド・パウエル;音の凝視者―武満徹;音響化された精神―松村禎三;幻影を見るアウトサイダー―スクリアビン;不調和の均衡―ブルックナー)
2 ひとつの音に世界を見、ひとつの曲に自らを聞く(現在形の音楽―水野修孝/キース・ジャレット;ビート音楽とノン・ビート音楽―バッハ/ケージ/ジャズ;「強さ」の感覚―クセナキス/メシアン;多面体の音楽―ウェーベルン/ペンデレツキ/ヤナーチェク;合唱音楽の領域―日本の合唱曲、その歴史とスタイル;起源をみつめる眼―アイヴズ/パーチ/ケージ/ライリー;音楽と風土―アール・ブラウン/クリスチャン・ウォルフ;音楽が輝くとき―アイヴズ/カラヤン/高橋悠治;伝統からの解放―グレン・グールド;音楽の性と生―ツトム・ヤマシタ/シュトックハウゼン;行動としての音楽―佐藤允彦;瞬間の緊張力―ジェズアルド/クレオ・レーン;2人のピアニスト―劉詩昆/藤井一興)
3 主情の糸
(主情の糸;シェーンベルクによせて;咸る回想;ピアノのはなし;回想のニューヨーク;ニューヨーク現代音楽レポート;ジェズアルドとホロヴィッツ;邦楽器の体験;荷風のメッセージ;「私考」の意味するもの)
4 メチエの感覚(グールド・フィーリング;シュトックハウゼンとレノン;ブッシュマンの音楽;民族音楽;メチエの感覚;アンケートに答えて)
5 論考(ブルックナーのレアリザシオン;ペンデレツキにみる古典的手法の残存;クラスター考)
6 作品ノート ピアノのためのインプロヴィゼーション
しがらみ/一息ごとに1時間
ヴァイオリンとピアノのためのインプロヴィゼーション
星辰譜/彼岸花の幻想
愛の園(アウトサイダーNo.1)
アハーニア(第1ヴァージョン)/エリキサ
アウトサイダーNo.2/錯乱の論理
アハーニア(第2ヴァージョン)/マニエラ
ブリージング・フィールド
ドルチシマ・ミア・ヴィダ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

23
八村義夫の音楽が好きだった。高校生のころFM放送でピアノと管弦楽の「錯乱の論理」を聴いた時の衝撃は忘れない。意識下の情念とその予測不可能なゆらめきが、突き刺さるような痛覚をもって表現されていた。本書は46歳で夭折した作曲家の遺したエッセイ集。ジェズアルドからブルックナーまで、バド・パウエルからジャニス・ジョプリンまで縦横に論じつつ、彼の確固たる音楽観、マクロの構造ではなくミクロの過程への執着、日常性や共有性を拒否してあくまでも個人的で根源的な狂気を正確に追うことへの執念がおのずから明らかになる。 2020/11/21

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