集団読書テキスト<br> トカトントン

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集団読書テキスト
トカトントン

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  • サイズ B6判/ページ数 29p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784793381058
  • NDC分類 K913
  • Cコード C0393

出版社内容情報

物事に感激し、奮い立とうとすると、どこからともなく「トカトントン」と金づちの音。青年は一瞬にして虚無感につつまれ、いっさいの気力が失せてしまう。終戦とともに訪れた青年の苦悩を、象徴的に描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たらちゃん

20
トカトントンという幻聴が聞こえるとスッと白けてしまい、何ひとつ最後まで一所懸命やり切れない辛さを訴える内容。俺はやればできるのに…?この人は幻聴がなくても何もできないかも知れない。トカトントンをお母さんや社会に置き換えて、お母さんが反対するから、社会が悪いから何もできんと言われたら…。2016/08/18

佐藤一臣

17
昨日テレビで有名人が3人とも絶賛していた太宰治の短編小説。早速青空文庫で読む。手紙の男はどうやらやらない理由を自分で作りだしているらしい。本気だして失敗して醜態をさらすのが怖いからだ。勉強のやり方がわからない、やってもバカだから無駄と言う人と同じ理屈だ。ただ、この男は手紙の内容によると結構いいところまでやってるのに最後の最後でトカトントンでやる気がなくなる。これが本当なら私は手紙の男を賞賛したい。結構頑張ってるんじゃないか!でも手紙の最後のことが本当なら、あれれ、ダメじゃんなのだが。2016/10/25

chacha子

12
熱気や歓喜、感動に溺れようとするたび聞こえてくる「トカトントン」。我を忘れ、その醜態を人目に晒すことを恐れるがゆえに何事も成すことができない「私」に向ける作家の目は冷たい。身体も魂も投げ打つ覚悟のある者に対し人は畏怖を覚えるのか……2015/05/15

みながわ

7
「本棚へ登録」というやつをやってみたいので、太宰で一冊やってみる。これは「主人公が、いろんなことが急にどうでもよくなる」という話である。鬱の者は読むと良い。共感できる。太宰ストは「太宰は暗くなんかない!」という主張をするが、私は、太宰は暗いから大好きなのだ。私にとって「暗さ」は悪口ではないのだ。そんな太陽にばかり当たってどうする。色気と真の癒しは闇で発生する。元気に青姦やってる場合じゃないのだ。この本を読んだ者は、最後の解釈について私に語ってほしい。そして「トカトントン」のイントネーションについても。2017/06/27

ももみず

7
結局、幸せになるのが怖いのでしょう、太宰も。「真の思想は、叡智よりも勇気を必要とするものです」。きっと太宰は、小説家として生きるがために、シンプルな幸せを選択する勇気は持てなかった。トカトントンって、無気力になる音じゃなくて、本当は小説家として修羅の道を歩くための足音だったんじゃないかなっていうのは、あまりに飛躍した読みかたでしょうか。2014/06/03

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