内容説明
女性たちが輝きはじめたあの時代、女性革命家を育てたのは戦後民主主義だった。学生時代のサークル仲間が綴る重信房子の家族愛の軌跡。
目次
第1章 戦後民主主義の申し子
第2章 学生運動の季節
第3章 父と娘の革命
第4章 アラブに生きる
第5章 娘に託した希望
嘘(重信房子高校三年生の時の小説)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
matsu04
24
日本赤軍の元最高指導者で、現在は医療刑務所に収監されているという重信房子。大学のサークル仲間だった著者が、テロリストではない重信の姿を紹介している。右翼だった父親のことや、明大二部でブントの活動を始めた頃の話は興味深い。2016/04/14
かっぱ
5
重信房子、というと日本赤軍(連合赤軍ではない)なわけだけど、この本はその思想に関する本ではない。むしろ、青春物語のように思える。この本に描かれた大学時代の重信房子は、意志の強い戦士ではなく、わりと周囲に流されていく素直ないい子だ。なぜ、その彼女が日本赤軍の闘士となっていったのか。そこには、なにか今の時代にも通じるなにかがあるような気がする。それが重信房子のすべてではないだろし、必ずしも真実でもないかもしれないけど。彼女の父親も魅力。 *りぶろ・りべろ閉店の時に買った本。2020/07/12
ぐうぐう
5
本書を読むと、重信房子へのイメージが一変する。日本赤軍の最高指導者であり、アラブから武装闘争を指揮した女性革命家という認識が、ものの見事にひっくり返されるのだ。そもそも、彼女の生い立ちからして驚きだ。父親は右翼活動家であり、典型的な戦後民主主義の家庭の中で育っている。しかも、その反動から左翼活動家になったのではなく、ここに描かれている重信は、まさに戦後の申し子であり、冷血な革命家のイメージとはほど遠い。著者が、重信の大学時代のサークル仲間であることで、彼女に対して贔屓目があるのを差し引いても、(つづき)2011/07/26
niconico
2
教員を目指していた房子が教育実習で生徒に言った言葉「試験はこつでこなしていいけれど、人生はこつではなくて、人格と人格で出会うように」 そして重信房子がよせた「あとがき」から「、、、全力投球して自分の信じるものを追及する時があります。、、、そして、そのときには必ず、人格と人格で結ばれた家族や仲間たちの絆が、力の源泉になっているはずです。」 2011/10/30
臓物ちゃん
1
超良書。人物が人物だけに、この人のこういうちゃんとした伝記があるとは思わなかった。2012/12/05