内容説明
獄中十二年―その原因となった“粛清”事件をついに小説化。月刊「ガロ」連載に書き下ろしを加え、今ここに堂々の刊行。
著者等紹介
見沢知廉[ミサワチレン]
1959年、東京生まれ。中学3年より既成右翼の活動を手伝うも失望。反体制への共鳴から暴走族へ。高校2年でブント戦旗派の学生同盟員になり、成田管制塔事件などの実力ゲリラ闘争に参加。79年、東京サミットで決起しなかった新左翼に失望し、新右翼の日学同に転向。82年、一水会、統一戦線義勇軍にも加入。義勇軍書記長、一水会の政治局長を歴任。一連の反米、反ソゲリラを指揮する。82年秋、スパイ粛清事件で逮捕。千葉刑務所などに12年間収監される。出獄直前の94年、獄中で書いた小説『天皇ごっこ』が第25回新日本文学賞を受賞。他著に『囚人狂時代』『母と息子の囚人狂時代』、『調律の帝国』『日本を撃て』がある
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感想・レビュー
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半木 糺
4
本書にあるものは「天才」の残骸である。本書を執筆している時には、もはや見沢の精神は限界に達していたのであろう。肝心の殺人のシーンも描写されずじまいであった。ただ、己の指の角質にかつて殺した死体の幻影を見るなど、殺人者にしか語りえないリアルな描写は健在である。主人公が、徐々に狂っていく自分を自己分析する様は、著者のかつてあった才能を知るものとしては戦慄とともに、ある種の物悲しさをも感じさせる。2014/03/16
hiratax
0
当時住んでいた八王子に唯一「ガロ」を置いてある書店があって見沢知廉の連載を立ち読みしていた。途中で自ら降りて、病室で描き上げたのが本書なんだが、いまいち。2005/09/30
aquirax_k
0
正直、文章がまとまってなくて駄作だと思います。ただ才能のきらめきみたいのは感じますね。これが遺作とは悲しいですね。