感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K.H.
13
こ、こんな研究があるのか、とまず感心。しかし考えてみれば、幕末の蒸気船といえば咸臨丸だとか開陽ばかりで、各大名家が購入した蒸気船については何も知らない。興味深かったのは、どの藩でも蒸気船を平時には商船として運用しようと構想していたことと、本来補助動力であった蒸気機関を積極的に使っていたこと。その結果、当時の海水を使用するボイラーの寿命をますます縮めてしまうのであった。製塩の燃料として当時の日本ですでに石炭が使われていたなんてことも知らなかった。小著ながら面白い本だった。2024/01/14