感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tieckP(ティークP)
9
ユーモアをメインに扱った論集で、その珍しさだけでも価値がある。「メインに」というのは、たとえば二次創作をパロディと絡めた論や、アメリカの風刺画を扱った論は、メトニミー的にはユーモアに関わるが、ユーモアの本質を見据えようという意識には見えないから。後書きに「おあとがよろしいようで」は次の噺家へのメッセージだと説明されているように、総花的に礎を築こうとする論集なので、個々の論における少々の肩透かし感はあるものの、幅広い目配りのユーモア文献で必読。頁数に比べてあまりに価格が高いので、文庫等になって欲しい。2022/07/12