内容説明
世界遺産白神山地の自然と暮らしとの関わりに着目した環境歴史学の白眉。
目次
1部 森林(国絵図等の資料に見る江戸時代の白神山地;弘前藩の史資料に見える白神山地;近世後期の白神山地 ほか)
2部 鉱山(近世前期津軽領鉱山の開発と白神山地;延宝・天和期の尾太銀銅山―御手山の繁栄と衰退;天和~正徳期(一六八一~一七一五)における尾太銅鉛山の経営動向 ほか)
3部 人間(一八世紀前半の白神山地で働いた人々―最盛期尾太鉱山を事例として;「天気不正」風説と白神山地;足羽次郎三郎考―その虚像と実像 ほか)
著者等紹介
長谷川成一[ハセガワセイイチ]
1949年生まれ。弘前大学附属図書館長・資料館長、人文学部・大学院地域社会研究科教授。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。博士(文学、東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コカブ
1
白神山地が世界遺産になったことで、歴史的に焦点を当てた本が出た。近世の白神山地に対する認識・近世の林業・近世の尾太鉱山を扱っている。もっとも、基本的に津軽家の支配地域に限った話だった。どちらかというと、著者の研究領域のうちで白神山地に関係するものを抜き出したという印象が強い。まず認識については、日本海を航行する船のランドマークになった可能性を指摘し、白神嶽として国絵図に載せられたとする。白神山地は「流木山」として、薪材を伐採して下流にある弘前まで流すことが行われた。開発の手が及び、荒廃も起こった。2014/05/13