内容説明
判例を学ぶ意義は、第1に、各裁判例を判例として分析し、そこから判例理論を抽出することにあり、第2に、各裁判例を事例として検討し、適切な解決を探求することにある。本書は、刑法の最重要判例を取り上げ、その意義・射程を明らかにしながら、事案の適正な解決を探るものである。
目次
相当因果関係―高速道路進入事件
不作為犯―シャクティパット事件
被害者の同意―保険金詐取目的の同意傷害
正当防衛―自招侵害
量的過剰防衛―灰皿投げつけ事件
誤想過剰防衛―勘違い騎士道事件
抽象的事実の錯誤―薬物所持事件
違法性の錯誤―百円紙幣模造サービス券作成事件
過失犯―薬害エイズ・厚生省ルート事件
原因において自由な行為―限定責任能力に陥った場合
実行の着手と早すぎた構成要件の実現―クロロホルム事件
不能犯だ都市ガス心中事件
中止犯―中止行為および任意性
正犯と共犯―母子強盗事件
共謀共同正犯―スワット事件
承継的共犯―暴行・恐喝への途中関与
共犯からの離脱―おれ帰る事件
不作為による共犯―せっかん死事件
著者等紹介
松原芳博[マツバラヨシヒロ]
早稲田大学大学院法務研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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