内容説明
20世紀自由論の古典とその原型。バーリンの自由論は、彼のロマン主義研究にその原型を有する。自由を熱烈に擁護したルソーやヘーゲルを、バーリンが自由の敵とみなすのはなぜなのか。
目次
序章 バーリンとロマン主義(バーリンの自由論と本書の目的;哲学から思想史へ;バーリンの著作とバーリン研究の動向)
第1部 バーリン自由論と思想史研究(バーリンの思想史研究の基本構造―西洋政治思想史における三つの転換点と反啓蒙主義;バーリンの思想史研究の方法―文化史にかんする議論を素材として)
第2部 バーリン自由論と初期のロマン主義研究(バーリン自由論の源流―「習作(torso)」としての『ロマン主義時代の政治思想』(1952年)
バーリン自由論の形成―ルソーとカントの解釈をめぐって
バーリン「二つの自由概念」の原型
バーリン『自由とその裏切り』(1952年)を読む
バーリン自由論とゲルツェン―ロシアにおけるドイツ・ロマン主義)
第3部 バーリンの自由論(バーリン『自由論』の再読;自由と価値多元論―二つの「二つの自由概念」(1952年、1958年)
バーリンにおける自由と決定論について―「歴史の必然性」(1953年)との関連を踏まえて)
終章 バーリンの自由論―思想史に基礎をもつ哲学(哲学的・概念的な理論なのか;バーリン自由論成立の知性史的背景;バーリンの自由論―思想史に基礎をもつ哲学)
著者等紹介
濱真一郎[ハマシンイチロウ]
同志社大学法学部教授。博士(法学)(同志社大学)。1968年長崎県諌早市生まれ。1992年早稲田大学法学部卒業。1993年早稲田大学大学院法学研究科修士課程中退。1995年同志社大学大学院法学研究科博士前期課程修了。1998年エディンバラ大学大学院LL.M.課程修了。1999年同志社大学大学院法学研究科博士後期課程中退。同志社大学法学部助手。2000年同専任講師。2003年同助教授(2007年より准教授)。2008年第6回天野和夫賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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