出版社内容情報
それは100年後を生きる人々にむけた切実な試み
1910年から30年代にかけて東京は大震災を経験しながらも、急激な人口増加や工業化に対応する都市の近代化をすすめていた。しかし、それは必ずしもスムーズにはいかなかった――。行政の目的とさまざまな立場にある住民の利害とが複雑にからみあうなかで、話し合い、説得し合いながら、自らの住む場所の未来をつくりあげていくダイナミズムを丁寧にうかびあがらせる。都市とは何か、そして、都市計画はいかに導入されたのか、その大きな問いへの答えを提示する力作。
【目次】
内容説明
それは、100年後を生きる人びとに向けた切実な試みであった―。工場と住宅地をいかに切り離すべきか、関東大震災後の復興をどうするか、郊外を整備することはなぜ必要か…。急激な近代化のなかにあった20世紀初頭の東京には、政治家、行政、住民の思惑と希望とが錯綜するなか、形づくられていく都市の姿があった―。彼らが展開した〈説得的コミュニケーション〉に注目し、日本社会に「都市計画」が根付いた時期を精緻に追いかけ、その意味と影響を考える。俊英によるあたらしい都市論。
目次
序章 いかにして都市計画は日本社会に導入されたのか
第1章 「都市計画」による「都市問題」の解決―都市計画へのアプローチ
第2章 「都市」問題の誕生―用途地域制を導いた降灰問題
第3章 「場末」の発見―都市周縁部に対する調査・介入・告発
第4章 「都市」がつくる「市民」―学習する新中間層
第5章 「帝都復興」における「復旧」と「復興」の論理
第6章 「市民」が担う「復興」―区画整理の公共性
終章 希薄な都市像のゆくえ
著者等紹介
中川雄大[ナカガワユウダイ]
山口県生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。現在、明治大学情報コミュニケーション学部専任講師。専門は都市研究。社会学の視点から、都市計画や建築などを通じた空間形成についての研究を行っている。またコンクリートやアスファルトをはじめとする都市を構成する物質的な要素についての研究も進めている。主な論文に、「都市計画導入期における「都市」概念の普及過程」『社会学評論』72巻2号(2022年、第9回日本都市社会学会若手奨励賞(論文の部)受賞)、「「場末」を記述する―1910~30年代東京の周縁部に着目して」『関東都市学会年報』23号(2024年、第28号日本都市学会論文賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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