「キャンセル・カルチャー」パニック―パニックを生み出す言説空間

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「キャンセル・カルチャー」パニック―パニックを生み出す言説空間

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  • サイズ 46判/ページ数 400p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784791777570
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C0030

出版社内容情報

キャンセル・カルチャー概念はいかにして生み出されたのか?
アメリカ保守主義による「ポリコレ批判」に端を発しながら、急速に世界中に広まった「キャンセル・カルチャー」という言葉。本書は、キャンセル・カルチャーという現象が存在することを所与のものとして受け入れるのではなく、その概念がどのような言説空間で生まれ、拡散されていったのかをつぶさに分析する。マジックワードと化したこの言葉を、圧倒的な言説調査によって掘り下げる、待たれた労作。


【目次】

内容説明

とある大学教員、トランプ、プーチン、ローマ教皇―。「キャンセル」をめぐる物語は、いまやアメリカからヨーロッパ、そして世界中のさまざまな不安と結びつきながら肥大化している。「キャンセル・カルチャー」批判は、「ポリティカル・コレクトネス」批判の再来でありながらも、アテンション・エコノミーの力を借りつつますます広く拡散されている。この集団的熱狂に油を注いでいるものは何か―巨大化したバズワードを解体する。

目次

序章 モラル・パニックの輸出
第1章 キャンセル・カルチャーを語るとき、我々は何を語っているのか
第2章 言葉の歴史
第3章 想像上のキャンパス
第4章 新保守主義的視点
第5章 メロドラマへの意志
第6章 パニックの起こし方「真実」、定期購読、エッセイ
第7章 偏狭な国際主義 キャンセル・カルチャーはどのように輸入されたのか
第8章 キャンセル・カルチャーの受容
終章 リベラリズムと反リベラリズム

著者等紹介

ダウプ,アドリアン[ダウプ,アドリアン] [Daub,Adrian]
1980年、ケルンで生まれる。アメリカのスワースモア大学卒業。ペンシルベニア大学で博士号取得。現在は、スタンフォード大学で比較文学を教える。専門は19世紀のドイツ文学およびドイツの地域研究。ジェンダー問題を中心に社会的発信を行なっている

藤崎剛人[フジサキマサト]
1982年生まれ。カール・シュミットを中心とする公法思想史・政治思想史を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

261bei

2
「キャンセル・カルチャー」なるものは粗雑な概念だと思っていたが(著者は「ミーム」「アネクドート」だという)、実際かつての「ポリコレ」揶揄の焼き直しに過ぎないもので、さらにその淵源は米国の保守派による大学(特にハーバード)に対する攻撃にあることまでを喝破した本。学生の出身が多種多様なハーバードをまともに運営したいなら白人優越主義は許されない。その「許されない」を厭う人々、要は、今後も引き続き差別を行いたいと思っている者が、差別を非難された時に新奇なバズワードを使って煙に巻いているだけだというわけである。2026/02/10

ラツマピック天国

1
「ポリコレ」と「キャンセル・カルチャー」という言葉は自分のなかで掴みどころのない言葉だと思っていたが、この本でその理由がわかった。これらは何も指していない言葉であった。本文中「起きたことは、あなたの親友が職場でセクハラをやったので解雇されたというだけだ。(略)⋯あなたにとっては単なる解雇以上のものに感じられるかもしれない。つまり抹消、消去だ。」とあるように、それぞれ別個で考えられるべき出来事を、自由を脅かす集団的意思に起因すると思い込んだ一群の人々が、有り物のカテゴリのように命名していたのだった。2026/05/17

TorysGirly

0
本書を読んでいて一番印象的なのが、「アネクドート」というルビを振られる言葉たちである。"噂話"・"「真実」"・"真実の物語"・"隠された真実"etc……。これらは自分が書き留めた一部だが、網羅的に書き留めたわけではないので他にもあるかもしれない。「右派」の仕込みは遠大だ。40年代から大学での「偏り」を糾弾する言説が「仕込まれて」いる。それが「花開く」のが90年代での「ポリティカル・コレクトネス」言説である。しかも、これが膾炙する元になったのが左派のニューヨーク・マガジンである事には注意が必要だ。2026/05/19

Dwight

0
100頁あたりまで読んだところで力尽きて断念。修辞が目障りでジェニファー・ラトナー=ローゼンハーゲンくらい読みにくかった。あ、閃いた。ハロルド・ブルームをキャンセルする人たちはハロキャン界隈。2026/05/07

ちり

0
“まったく普通の社会経験、すなわち「多様性がある巨大な国家では、人は知らない人の前での発言に気をつける必要がある」ということを、高度に具体的かつ政治的な問題、すなわち「左翼的活動家が、医者の診察や買い物中に保守的な見解を表明することを抑圧している問題」として再解釈することを要求しているのは、おそらく偶然ではない。この再構成は、在りし日(つまり自己検閲の新たな圧力が強まる以前)には、反発を恐れず、頭に浮かんだことは何でも遠慮なく発言することができた人間たちを想定している”2026/02/27

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