出版社内容情報
知られざるラカンの全貌
精神病か神経症かを判断する「鑑別診断」をめぐるラカンの変遷を、50年代、60年代、70年代と、思想と臨床の両方から光をあてながら丁寧に読み解いていくとき、そこに一貫するものとともにまったくあたらしいラカン像が浮かび上がってくる。ラカン理解の精度と明度を従来よりも飛躍的に高めた画期の書。おそるべき俊英による圧巻のデビュー作が、フーコー論を付加して待望の増補版としてよみがえる。
【目次】
内容説明
精神病か神経症かを判断する「鑑別診断」をめぐるラカン理論の変遷を、50年代、60年代、70年代と、思想と臨床の両方から光をあてながら丁寧に読み解いていくとき、そこに一貫するものとともにまったくあたらしいラカン像が浮かび上がってくる。ラカン理解の精度と明度を従来よりも飛躍的に高めた画期の書が、フーコー論を付加して待望の増補版としてよみがえる。知られざるラカンの全貌。
目次
序論
第一部 ラカンの理論的変遷を概観する(三〇年代ラカン―妄想の無媒介性とシュルレアリスム;五〇年代ラカン―精神病構造をどのように把握するか;六〇年代ラカン―分離の失敗としての精神病;七〇年代ラカン―鑑別診断論の相対化)
第二部 神経症と精神病の鑑別診断についての理論的変遷(フロイトにおける神経症と精神病の鑑別診断(一八九四~一九三八)
『人格との関係からみたパラノイア性精神病』における鑑別診断(一九三二)
『精神病』における神経症と精神病の鑑別診断(一九五五~一九五六)
エディプスコンプレクスの構造論化(一九五六~一九五八)
「精神病のあらゆる可能な治療に対する前提的問題について」(一九五八)の読解
六〇年代ラカンにおける神経症と精神病の鑑別診断(一九五八~一九六七)
七〇年代ラカンにおける神経症と精神病の鑑別診断(一九六五~一九六七))
第三部 鑑別診断「以後」の思想(人はみな妄想する―後期ラカンとドゥルーズ=ガタリ;ヴェリテからヴァリテへ―後期ラカンとデリダの真理論;享楽社会とは何か?―後期ラカンとフーコー統治性論)
結論
著者等紹介
松本卓也[マツモトタクヤ]
1983年高知県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。高知大学医学部医学科卒、自治医科大学大学院医学研究科修了、博士(医学)。専攻は、精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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