出版社内容情報
レヴィナス思想のまだ見ぬ広がりを照らし出す
いまでも哲学の枠を超えて、さまざまな分野にインスピレーションを与えつづけている哲学者、エマニュエル・レヴィナス。しばしば「顔の倫理」というスローガンにその思想が集約されるけれども、それが実際のところ何を言おうとするものだったのかを問いなおし、それに回収されない思想の広がりに目を向けると、いまだ見ぬ読み替えの新たな方向が浮かび上がってくる。そこにあるのは、食、老い、ロボット、動物、福祉など、人間と人間ならざるものの境界がゆらぐ場面と響きあう、特異なかたちのヒューマニズムだ。レヴィナスとともに、レヴィナスを超えて等身大の人間について考える、哲学することの楽しみにひらかれた一冊。
内容説明
レヴィナス思想のまだ見ぬ広がりを照らし出す。人間と人間ならざるものを分かつ「紙一重の差異」に目を凝らし、脆い存在としての人間を描き出した哲学者、レヴィナス。食べる、老いる、ケアするといった日々の経験や、ロボットや動物をめぐる問題にまでひらかれたその強靱な思索を、気鋭の研究者が鮮やかに読み解く。
目次
0 “他者の倫理”とは別のしかたで(レヴィナスと“ポストモダン”;デリダはレヴィナス化したのか;顔のない正義)
1 聞く、読む、集う―音と声をめぐって(読書会の存在論―レヴィナス読書会の余白に;ナンシーとレヴィナス―sensについて)
2 生まれる、愛する、触れる―人間と非人間のあいだで(顔の倫理とジレンマ―動物とロボット;人型ロボットは愛することができるか―キューブリック/スピルバーグ『A.I.』論;遠隔と接触―リモート時代における「顔」)
3 食べる、老いる、ケアする―身体のままならなさについて(ケアと福祉―応答から身代わりへ;「食べること」と「老いること」)
著者等紹介
渡名喜庸哲[トナキヨウテツ]
1980年、福島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。パリ第7大学社会科学部博士課程修了。慶應義塾大学商学部准教授などを経て、立教大学文学部教授。専門は現代フランス哲学、社会思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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