出版社内容情報
知への愛にうつつを抜かして生きることは、それだけでもう生きるに値する生なのだ。(終章より)
ときに権力思想家として、ときに反宗教者として、その思想の過激な側面が強調されやすいニーチェ。しかし虚心にテクストを繙くと、そこには、自己矛盾をもいとわず知の道をひたすら進みつづけるひとりの人間の後ろ姿が見えてくる。テクストのもつ潜在力を最大限に引き出し、知への愛を謳い上げる哲学者の肖像を描き出した、生気あふれるニーチェ讃。
内容説明
知への愛にうつつを抜かして生きることは、それだけでもう生きるに値する生なのだ。ときに権力思想家として、ときに反宗教者として、その思想の過激な側面が強調されやすいニーチェ。しかし虚心にテクストを繙くと、そこには、自己矛盾をもいとわず知の道をひたすら進みつづけるひとりの人間の後ろ姿が見えてくる。テクストのもつ潜在力を最大限に引き出し、知への愛を謳い上げる哲学者の肖像を描き出した、生気あふれるニーチェ讃。
目次
ハイデガーとアーレントの間―ニーチェ私観
1 哲学するという生き方(生への愛、知への愛―哲学者の恋の歌;人を殺してはいけない理由を求めることの愚かさについて;学問の危機と哲学―ニーチェの誓い)
2 時代に抗して哲学する(戦争と平和の哲学―『放浪者とその影』より;強制としての道徳―『善悪の彼岸』より;科学は何のために?―『ツァラトゥストラはこう語った』より)
3 ニーチェと哲学者たち(自由な死と死への自由―ニーチェから見たハイデガー;同情について―ニーチェとアーレント;禁欲主義と実存の美学―ニーチェ、九鬼周造、フーコー)
学問と生―ニーチェに学んで戦いを生きる
著者等紹介
森一郎[モリイチロウ]
1962年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。東京女子大学文理学部教授等を経て、東北大学大学院情報科学研究科教授。専門は哲学。『死と誕生―ハイデガー・九鬼周造・アーレント』(東京大学出版会)で第21回和辻哲郎文化賞を、アーレント『活動的生』の翻訳(みすず書房)で第52回日本翻訳文化賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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