出版社内容情報
地政学が見落としてきた運動が、聞こうとしなかった叫びが、ここにある。
商品の合理的な移動を目指し、あくなき開発を続ける資本。過剰な移民の移動を管理すべく、境界を巧妙に操作する国家。世界の地理は、こうした資本と国家によってのみ形作られている--わけではない。地中海の孤島の移民収容所で、イスラエルに包囲されたパレスチナの都市で、フードデリバリーの自転車が走る路上で。地球上のさまざまな場所で、境界をすり抜け、食い破る人々が声をあげている。いまこそ、彼らの共鳴する叫びに耳を傾けるときだ。欲望と叛乱の地理学の、野心あふれる実践。
内容説明
国境廃絶を求める闘争が続く地中海の「移民の島」で、万博への抗議渦巻くミラノの路上で、技能実習生の「失踪」が絶えない日本の建設現場で―。いまこそ、地球上のさまざまな場所で響く、境界をすり抜け、食い破る人々の叫びに耳を傾けるときだ。欲望と叛乱の地理学の、野心あふれる実践。
目次
第1部 地政学から逃れて―地政学と反地政学(地図からあふれだす流転の地理―地図学的理性を超える地球の潜勢力;ヨーロッパ「市民」がいなくなった後で―地中海をまたぐ反植民地叛乱としての移民運動)
第2部 囲い込む収容所、逸脱する移民運動―生政治と地政学(「移動」が「運動」へと生成変化するとき―国境の移民収容所からの問い;「歓待」という名の生権力を脱することはできるか―収容をめぐるパラドックス)
第3部 ロジスティクスとインフラによる戦争―資本主義と地政学(シームレスな流動を夢見るロジスティクスの暴力―労働と生の支配、遮断と封鎖による叛乱;都市化する惑星が生み出す「まだら状の大地」―つながる街、つなげる道、壁となる道、棄て置かれる街)
第4部 ヨーロッパから東アジア/日本へ―流動する反地政学(労働力を包囲するロジスティクス、逃亡がひらく移動コモンズ―「寄せ場化」する社会の地理学;共鳴するノー・ボーダーの叫び―「難民特権」言説批判から「すべてを欲する」叛乱へ)
著者等紹介
北川眞也[キタガワシンヤ]
1979年、大阪府生まれ。関西学院大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(地理学)。現在、三重大学人文学部准教授。専門は政治地理学、境界研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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