出版社内容情報
ケルトの生命循環と人類の祈り
受難を乗り越え、光となって、強靭に旋回する渦巻――。私たち人類は「死からの再生」と吉祥を願い、渦巻文様を土偶・金工・聖書写本・建築・アニメまでに刻み続けてきた。「生命循環」の象徴としての「スパイラル」に秘められた祈りと創造力。その根源を探求する画期的考察。図版多数。
いにしえの人々も、現代人も変わらない宿命がある。
私たちは人類史の大河をゆく「生身(なまみ)」の一滴であるということだ。
異質な文化文明や存在同士の交流からこそ新たな生命力が渦巻く。
(本書 あとがきに代えて より)
【目次】
内容説明
受難を乗り越え、光となって、強靱に旋回する渦巻―。私たち人類は「死からの再生」と吉祥を願い、渦巻文様を土偶・金工・聖書写本・建築・アニメまでに刻み続けてきた。「生命循環」の象徴としての「スパイラル」に秘められた祈りと創造力。その根源を探求する画期的考察。ケルトの生命循環と人類の祈り。
目次
プロローグ ユーロ=アジア文明のパースペクティヴ―「芸術人類学」の方法とダ・ヴィンチの「組紐」
序章 渦巻芸術の誕生―なぜ「渦巻」は表現されてきたのか
第1部 生還のスパイラル構造(グッゲンハイム美術館と西洋「渦巻思想」の遍歴―F・L・ライト、ギリシャ神話、ダンテ、ポー、ヒッチコック)
第2部 ケルト渦巻の思想―驚異のミクロコスモス(「トリスケル」の反転―超高速の三つ巴;再生の炉―冶金術と渦巻文様の始原)
特別チャプター 渦巻く幕間 「西方の奇想」―ジョイスと修道士
第3部 アイリッシュ・ダンスが起こす渦(『リヴァーダンス』―大飢饉の移民史;ケルト文様のナショナル・アイデンティティ―「トリスケル」の復活)
第4部 「ケルト・アニメ三部作」とケルティック・スパイラル(『ブレンダンとケルズの秘密』―『ケルズの書』の受難とデザイン;『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』―異界と繋がる「万霊節」の巻貝;『ウルフウォーカー』と狼の精霊―ケルトとアングロ=サクソンの対立を超えて)
第5部 縄文と古ヨーロッパの「女神土偶」―「生・死・再生」の渦巻(「女神」と「母神」―「産む性」を支えた「表現者たち」;宇宙生成論と「母胎」渦巻―死の壺からの再誕生)
エピローグ 「禍」を超える「渦」―「死からの再生」
著者等紹介
鶴岡真弓[ツルオカマユミ]
多摩美術大学名誉教授・芸術人類学者。同芸術人類学研究所(旧称)所長や同大学美術館館長などを歴任。ケルト芸術文化&ユーロ=アジア芸術文明交流史研究。早稲田大学大学院修了後、ダブリン大学トリニティ・カレッジ留学。西はアイルランドから東はシベリアまでを探査(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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